開幕3カードを終えて5勝2敗1分けとまずまずのスタートを切った阪神は、11日から敵地・東京ドームで巨人3連戦に臨む。ライバルは前カードの広島戦で3連敗を喫するなど5連敗中ながら、岡田彰布監督(65)は復帰後初の「伝統の一戦」に向けて、10日は「いやいや、まだそんなんは…対戦する時に連敗中のチームとやるほうが嫌やな。勝っているチームよりな」と、遠まわしに宿敵を持ち上げる程度にとどめた。

 岡田監督にとって、巨人は因縁浅からぬ関係にある。前政権時の2005年に本拠地・甲子園球場で初のリーグ優勝を決めた時も、08年に13ゲーム差を逆転されて優勝を逃した時も、相手は巨人だった。敵将の原監督は1学年違いで、学生時代からの旧知の間柄でもある。

 前回の監督時代、04年から08年は巨人、中日と毎年のように激しくV争いを演じた。当時を知る球団関係者は「対巨人には、みんなが一生懸命やったね」と振り返る。それがどれほどのものだったかを物語るエピソードとして、監督、コーチを交えたミーティングの最中に、巨人付きスコアラーの携帯電話から巨人の球団歌「闘魂こめて」の着信音が鳴り響く一幕があったという。関係者が明かす。

「そもそもは当時の巨人付きスコアラーが、朝刊スポーツ紙の巨人担当から着信があった場合に、誰からかかってきたか、すぐ分かるように設定していたんだ。それがある日のミーティング中に鳴ってね。着信音が『闘魂こめて』で、その瞬間に岡田監督がチッと舌打ちして、場が凍りついたんだよ(笑い)。でも、そのスコアラーが、何でその着信音にしたかの理由を話したら、監督も逆に『そこまで神経を配っているのか!』と。その人はすごく監督からも信頼されていた」

 その人物が着メロにライバルの球団歌を設定していたのは、電話に出られない状況下でも、どんな関係者からの着信かすぐに判別し、折り返しができるようにするためだったという。これを岡田監督は〝仕事熱心〟と高評価したわけだ。

 かつては情報戦ひとつとっても、対巨人は虎将が敏感になっていた。今季は出だしで明暗を分けた格好だが、果たしてどんな展開が待っているのか…。