【米フロリダ州マイアミ21日(日本時間22日)発】ついに世界一だ。野球日本代表・侍ジャパンはローンデポ・パークで行われた第5回WBC決勝戦で米国代表と対戦し、3―2で勝利。3大会ぶりの優勝を決めた。9回からはDHを解除した大谷翔平投手(28=エンゼルス)がマウンドに立ち、無失点で締めると「胴上げ投手」として代表の面々と喜びを分かち合った。投打でフル回転し、文句なしの大会MVPに輝いた「世界のショウヘイ・オオタニ」が日本を頂点へと導いた。
 
 いつもの柔和な顔をくしゃくしゃにしながら歓喜の雄たけびを上げた。1点リードの9回、ブルペンからゆっくりと歩を進めた大谷はストッパーとしてマウンドへ。先頭のマクニールは四球で歩かせたが、続くベッツを100マイル(約157キロ)の直球で詰まらせて二ゴロ併殺打に仕留めた。頂点まで、あと一死――。

 最後の打者はエンゼルスの盟友・トラウトだ。101・6マイル(約163・5キロ)の直球は外角低めに外れてフルカウントとなるも、最後はアウトコースに大きく逃げる伝家の宝刀スライダーで空振り三振を奪った。

 ゲームセットの瞬間、大谷は手にはめていたグラブと帽子を投げ捨てながら喜びを爆発させ、ベンチから雪崩れ込んできた侍メンバーたちと肩をぶつけ合いながら力強く抱き合った。

 夢にまで見た世界一の座にたどり着いた大谷は試合終了後の表彰式で大会MVPに選出された。MLBのマンフレッド・コミッショナーら主催者側からゴールドメダルとMVPシールド、そしてチームを代表して優勝トロフィーを手渡されると表情を緩ませた。

 そして表彰式が終わると激戦を戦い抜いて頂点に立った侍メンバーたちと一緒にグラウンドの中央で栗山監督を9回、胴上げした。続いてダルビッシュ、ヌートバーとともに自らも胴上げされて3回、マイアミの夜空を舞った。

 悲願の世界一を奪回した試合後、「本当に夢見てたところなのでうれしいです」とコメント。9回からマウンドに立ったことには「本当に点差によってこう多少、変わるとは思っていたんですけど、本当に接戦のいいゲームで。最後本当、緊張したんですけど何とか抑えられて良かったです」と興奮冷めやらぬ口調で振り返った。

 決勝の大舞台は「SHO―TIME」だった。「3番・DH」で先発出場し、2点をリードした7回一死の第3打席は俊足が光った。大谷シフトで一・二塁間を守っていた遊撃手・ターナーにダイビングキャッチされ、送球されたが「セーフ」のジェスチャーとともに一塁ベースを駆け抜けた大谷の全力疾走が僅かに上回った。リプレー検証でも覆らず塁上の大谷は両手でガッツポーズ。得点にはつながらなかったとはいえ、自軍ベンチを大きくもり立てた。

 また、試合前にも世界中を虜にした。入場セレモニーで旗手を務めた大谷が日本代表の先頭に立って、左翼側から入場して来るとローンデポ・パークは大歓声に包まれた。割れんばかりの拍手とスタンドから沸き起こったスタンディングオベーションは米国代表の旗手・トラウトを先頭に右翼側から入場した米国代表と何ら遜色なかった。

 日本代表の面々が紹介される中、場内アナウンスで「ショウヘイ・オオタニ」の名がコールされると、そのボルテージは最高潮に達した。観客の大半が「USAコール」を送る米国代表を応援するファンで占められていたものの、そんな〝アウェー〟においてもやはり大谷の存在は明らかに別格だった。

「(WBCが)正直終わってしまうのが寂しいような気持ちはありますし、みんな同じだと思う。またそれぞれのチームに帰って、これからシーズン始まるので。またそれに備えて寂しいですけど頑張ります」

 メジャー6年目の2023年を「WBC優勝」「WBCのMVP獲得」という最高の形でスタートを切った大谷。開幕後はMLBに旋風を巻き起こす。