新日本プロレスのSANADA(35)が、衝撃のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)脱退の真意を明かした。17日の後楽園大会「NEW JAPAN CUP(NJC)」準々決勝で内藤哲也(40)との同門対決を制すると、何とタイチ率いる新軍団に電撃加入。2016年4月の新日本参戦から7年在籍したLIJを抜けた裏にある、決意とは――。

 内藤の猛攻に苦しんだSANADAだったが、デスティーノは間一髪で回避。一気に新技の変型DDTをさく裂させて準決勝(19日、群馬)に進出した。

 試合後のリング上では衝撃の展開が待っていた。タイチ、金丸義信、DOUKI、TAKAみちのくの4人と握手を交わすと「俺はもうロスインゴにいても何も新しいものが生まれないから、今日をもってやめます」とLIJを脱退。駆け付けた鷹木信悟、高橋ヒロム、BUSHIに対しても「お前らに用ないんだよ、帰ってくれ。中途半端な気持ちでやめたわけじゃないんだよ。トップを取って景色を変えてやるよ」と決別を告げた。SANADAの加入で今年1月に発足した「Just 4 Guys」は「Just 5 Guys」に改名された。

 SANADAは16年4月にLIJに加入し新日本に参戦。7年もの時間を過ごした特別なユニットだった。15年5月からフリーとして活動していたプロレス人生も激変した。取材に対し「もしもあの時入ってなかったら…想像できないですね。もしかしたらプロレスをやめていたかもしれないですし」と振り返る。同時に「ロスインゴに人生変えてもらいましたからね。だからこそこれからは自分の力で人生を切り開きたいし、そのためには自分を育ててくれたロスインゴとも戦うべきじゃないかと感じました」と古巣への感謝の言葉を口にした。

 加入当初からLIJは団体、いや業界一の人気ユニットだった。そんな状況に長く身を置いていたことも、タイチたちが掲げてきた「景色を変える」という言葉に強く共鳴した一因となった。「真逆じゃないですか。自分は言うなら、ずっと一番人気のあるユニットでやってきて。でもタイチ兄やんたちのところは一番下から新日本を変えようっていう。楽を求めたら、成長しないですからね。『景色を変える』という言葉に共感しました」。変化を求め、あえてイバラの道を選ぶ決断を下した。

 自身が変化することによって、ここ数年のコロナ禍で団体内に漂う閉塞感を打破したいという決意がある。「やっぱりお客さんの入りとかもちょっと低迷している。今年に入って退団した人たちもいて、やっぱり新しい景色って必要だと思うんですよ」。新たな一歩を踏み出したSANADAが、NJC制覇で悲願のIWGP世界ヘビー級王座(現王者はオカダ・カズチカ)への切符を手に入れる。