西武・山川穂高内野手(31)が試行錯誤の末、戦う準備を整えた。
2月25日の壮行試合・ソフトバンク戦(宮崎)から3月6日の阪神戦(京セラ)まで実戦5試合に出場し、15打席無安打(1四球)5三振と結果が出てこなかった山川。打順も3番→5番→6番→6番→代打と変動し、本番前最後の実戦調整の場となった7日のオリックス戦(京セラ)でようやく初安打が飛び出した。
7日は大谷の代打で出場。4回二死二塁の実戦16打席目で、オリックス2番手・吉田の甘く入ったスライダーをとらえ左翼線へ適時二塁打。待望の初安打を初打点付きでマークした。
さらに山川は6回の第2打席でも冷静に四球を選び、8回の第3打席で小木田のスプリットをとらえる〝どすこい弾〟で本番前最後の実戦調整を締め、WBC直前に状態を上げた形だ。
試行錯誤の末、最後にたどりついた打撃改善へのポイントはバットの変更だった。
昨シーズン後半、疲労からバットが振れず、思うような打撃ができなかった反省からバットを20グラム軽量化。自主トレから西武の南郷キャンプ、侍の宮崎合宿、名古屋での強化試合とこの軽量バットで臨んできたが、実戦の場でなかなか結果が出てこない。
この状況に山川は「軽くなりすぎて当たりが薄い。薄いから力を入れないとまずいと思っている感覚が、打てないことよりもまずい」と自己検証するに至った。
すると山川は急きょ、メーカーから昨年仕様の20グラム増量バットを取り寄せ、本番3日前、6日の阪神戦前の練習から920グラムバットで打撃練習を開始した。
大会直前のこのバタバタ感は通常、無駄な抵抗、最後の悪あがきのような印象を周囲に与えるが、自分を知り、理詰めで唯一の武器、バッティングを考え抜く山川にすれば、そこにしか〝思い当たるフシ〟がなかったことになる。
8日の東京ドーム練習後、山川は「よくよく考えてみると宮崎(キャンプ)から(バットの)ド先に当たって3本ぐらいバットを折っている。ダルさんとやったシート打撃でも折りましたし。いつもは、そんなにバットを折る感じではないので、おかしいなと思っていたんですけど。一昨日バットを替えて、今日バッティング練習をしてみて、いいんじゃないかと再確認できた」と2022年型バットへの差し替えの手応えを語った。
続けて「この感覚は、くり抜いたバットで打ち続けても打てる感じじゃないなというのは思っていました。どのみちWBCじゃなくても変えてましたね。(ボクは)バッティング練習が良くないとダメなんですよ。(軽量バットは)バッティング練習が良くないんで、もうダメっすよ。バッティング練習でしっかりいい形で左中間にホームランを連続して打てると試合にもすんなり入れるし、それがおかしいと(試合でも)おかしいです」とも。自主トレから3月4日の中日戦(バンテリン)まで何万スイングもの「遠回り」=「検証」をしたからこそ決断できた違和感だったようだ。
もちろん、これでWBC本番での活躍が保証されたわけではない。
しかし「(スタメンと代打)どっちから行こうとボクがやることは同じ。どこでピッチャーのタイミングを取ることだけを考えている。スタメンだったら打席数がありますけど、代打から行く場合でもバチっと1回でタイミングを合わせる準備をするだけかなと思う」という山川から、これまでの迷いが消えたことだけは確かだ。












