〝格〟の違いから知ればええんよ――。岡田彰布監督率いる阪神は、6日に行われる侍ジャパン強化試合(京セラドーム大阪)で日本代表と対戦する。相手先発は日本球界のエース・山本由伸。3日に侍本隊に合流したばかりの大谷翔平投手(エンゼルス)も打者としての出場が可能な状況とあり、注目の一戦となることは必至だ。
阪神からは24歳の才木、21歳の西純、そしてドラフト5位ルーキーの富田蓮投手(21=三菱自動車岡崎)が同戦に登板予定。岡田監督は「若いもん順や」と、同戦では若手選手たちに優先して出番を与える考えを既に明かしている。野手陣では同1位の森下翔太外野手(22=中大)、今季でプロ3年目となる佐藤輝明内野手の出場も濃厚だ。
貴重な代表チームとの対戦。若虎たちの成長を促す絶好の機会としたいところだが、超リアリストの岡田監督は「一流選手たちから、阪神の若手選手たちも何かしらの吸収を」といった〝美辞麗句〟は歯牙にもかけない。
「やっぱり格が違うわけやからな。それを吸収できるかいうたら俺はどうなんかって思うで。そんなん大谷の打ち方せえ言うても、そんなんできるかいな。やっぱり自分の格を知らなあかんわ。みんながそんな選手にはなられへんよ。違いが分かればええんよ。ここまでやらんとメジャーであんだけ活躍できないんや、とかな」
国際舞台で戦う超一流選手たちをまぶたに焼き付け、まずは自身の立ち位置を知る。そこから自分が現実的に目指すべき場所、解決しなければならない課題を知るきっかけになればいいと、この一戦を位置付ける。
2016年の金本政権発足以降、チームとフロントが一体となって取り組んできた〝超変革路線〟が実を結び、「生え抜き主体の骨太なチームづくり」というコンセプトは着実に実現しつつある。投では青柳、伊藤将、湯浅。打では近本、大山、中野、佐藤輝らが台頭。15年ぶりの現場復帰となる岡田監督の最優先ミッションは、18年遠ざかるリーグ制覇であることは言うまでもないが、ここまで継続してきた育成路線を成熟させ、さらに次世代につなぐことも重要な任務だ。
指揮官に就任したばかりの昨秋は「せっかく若手が育ってきているのに年寄りはいらん」と、FA戦線への参入を拒否。今春のキャンプでも育成段階の藤田、中川ら若い捕手を一軍にあえて呼び、「まだまだ一軍の戦力にはなれへんけど、そういう経験を積ませとけばええやんか。一軍のピッチャーのすごい球を捕って勉強すればいい」と成長を促した。65歳の老将は、自身がタテジマを脱いだ後のことも考えながらチームを運営している。
金本元監督がまいた種に、矢野前監督は水と肥料を惜しみなく与えた。収穫の時期が間近であることは多くの人が予感している。子孫に代々続く〝美田〟を残すべく、岡田監督も虎の歴史を紡ぎ続ける。












