第5回WBCに臨む侍ジャパンは、2日にバンテリンドームで調整。10日の韓国戦(東京ドーム)登板が濃厚と見られるダルビッシュ有投手(36=パドレス)が、中日との合同練習で登板した。先頭打者の岡林に死球を与えたことで不安の残る内容となってしまったが、韓国戦ではどんなピッチングを見せてくれるのか。韓国球界に詳しい評論家の門倉健氏が〝要注意マーク〟をつけた、3人の韓国選手とは――。
らしくない投球だった。中日との合同練習に登板したダルビッシュは最初の打者・岡林に投じた2球目、150キロ直球が右足への死球。岡林は自力で歩くことができず。トレーナーらに両肩を支えられながら退場するというまさかの展開に、さすがのメジャー右腕もマウンド上で動揺の表情を浮かべた。
その後もビシエド、アキーノに連打を浴びるなど制球、球威ともいまひとつ。「いきなり岡林選手に死球を当ててしまった。対戦をすごく楽しみにしていた選手だったので、中日さんの今後の状況を考えると、すごく動揺してしまって。そこから右(打者)にもインコースへ行けなかった」というダルビッシュは3イニング相当で50球を投げ、打者12人に対し1奪三振、2四死球、2本の適時打を含む3安打2失点だった。
吉井投手コーチは「マウンドが米国よりも軟らかいのを気にしていて、立ち上がりに死球を当ててしまった。本来の投球ではなかったが、2イニング目以降はうまくいった」と及第点を与えたが、先発が予想される10日の韓国戦(東京ドーム)に向けて「万全の仕上がり」とは言いづらい内容だった。
果たして韓国戦は大丈夫なのか? 2009年からSK、サムスンで3年間プレーし、韓国球界にも詳しい評論家の門倉健氏は「実力的には日本が上。普通にやれば日本が勝つと思います」と分析。「韓国の選手は乗ってくると手がつけられなくなりますから、勢いを出させないことが必要になる。初回に点を与えないこと、先頭打者を出さないことが大事」と見ている。
そのうえで特に注意しなければならない選手として、門倉氏は金賢洙外野手(キム・ヒョンス=35)、朴炳鎬内野手(パク・ビョンホ=36)、金広鉉投手(キム・ガンヒョン=34)とメジャー経験のあるベテラン3人の名前を挙げた。
「金賢洙はインサイドも腕を畳んでうまく打つことができるし、変化球への対応力もある。打率も稼げるし一発もある打者。朴炳鎬は典型的な長距離砲でちょっと甘いボールが入るとスタンドに持っていく力を持っている。彼の前に走者を出さないことが大事です。金広鉉は金メダルを取った(2008年の)北京五輪で星野ジャパン相手に2試合先発した日本キラー。今回の大会では第2先発としてリリーフでの起用となるみたいです。韓国では日本のダルビッシュに近いような存在ですから、彼が出てきて抑えるとチーム全体が盛り上がると思います」と門倉氏はいう。
「日本でいえばイチローのように、メジャーのプレー経験があるような中心選手が活躍すると韓国チームの士気が高まる傾向があります。そういうキーマンになりそうな選手にしっかりと対処することが必要でしょう」(門倉氏)
10日の韓国戦にダルビッシュが先発することになれば、日韓のベテランの働きが勝敗のカギを握ることになりそうだ。
【韓国その他の主力選手】韓国の守護神を務めるのは、大谷への故意死球発言で波紋を広げた高祐錫(コウ・ウソク=24)。150キロ台後半の直球を武器にした右上手投げ投手だが、精神的なもろさを指摘されることも。東京五輪の日本戦では一塁ベースカバーの際に塁を踏み忘れて敗戦投手となり、韓国国内のSNSで「タップダンサー」などと猛バッシングされた。
人気、実力ともにトップクラスなのが、かつて中日で活躍した李鍾範の息子の李政厚(イ・ジョンフ=24)。東京五輪でもレギュラーとして活躍したが、そこからさらに力をつけ昨季の国内リーグMVPに輝いた。仲の良かった高祐錫と自身の妹が結婚したことで、義兄弟となっている。
現役メジャーからは、カージナルスでヌートバーと1、2番コンビのトミー・エドマン(27)、パドレスでダルビッシュとチームメートの金河成(キム・ハソン=27)が名を連ねている。










