【米国フロリダ州フォートマイヤーズ25日(日本時間26日)発=カルロス山崎通信員】ツインズの前田健太投手(34)がレイズとのオープン戦開幕戦に先発し、1回を投げ1安打無失点1三振だった。球数は13で、うちストライクは10球。21年8月27日に右ひじの側副靱帯を再建する、いわゆるトミー・ジョン手術を受けて以来、およそ1年6か月ぶりの実戦登板となった前田は、「ちゃんと投げられたし、0点にも抑えられたからいいスタートが切れたと思う」と充実した表情で話し、患部への「不安は正直ない。ゼロ」と言い切った。

 ブルペンでの投球練習など、リハビリのプロセスにおいて必要なメニューは順調にこなしてきた前田だったが、この日ばかりは「いつものルーティンを思い出しながら、試合の時の高揚感、緊張感も少し感じながらマウンドに上がることが出来た」という。

 初回、注目の第一球。レイズの先頭打者ローは前田の心境を知らなかったのか、91マイルの甘いストレートを見逃さずに強打すると、これが左越えの二塁打となる。「気持ちよくストライクを投げようと思って投げたら振ってきたのでびっくりした」という前田は、「いきなり走者を背負ってしまったので、抑える方にシフト」することを余儀なくされる。

 2番ブルーハンは0―1からの2球目、84マイルのチェンジアップでワンバウンドの投ゴロに打ちとると、3番ラミレスはスライダーも交え3―2としてからの7球目、91マイルの伸びのあるストレートで空振り三振を奪うと、高齢層を中心とした大勢のファンで埋まったスタンドから大きな拍手が起こった。二死二塁で迎えた4番パレイデスにはテンポよく0―2と追い込み、3球目のチェンジアップで三ゴロに打ち取り無失点。前田はスタンドのファンから「お帰り」という声をかけられながら一塁側ダグアウトに戻り、チームメイトからは温かさが滲むソフトなハイファイブで迎えられた。

チームメイトからハイファイブで迎えられる前田(カメラ・カルロス山崎)
チームメイトからハイファイブで迎えられる前田(カメラ・カルロス山崎)

 前田は登板後の会見で、「(まだ)シーズンでの自分のピッチングとは違う。ここから徐々に上げていけると思うが、昨年、リハビリ中に投げたライブBPでの感覚よりは断然にいい」と語り、「シーズンでしっかり投げるまで気を抜けない。今日、ここでマウンドに戻ったからといって全てが達成されたわけではない。シーズンで投げて、シーズンでいいピッチングをすることが大事だと思う」と冷静にその先を見据えていた。