3月開催の第5回WBCに臨む野球日本代表・侍ジャパンに「ダル流」が浸透している。宮崎強化合宿に初日から参加中のダルビッシュ有投手(36=パドレス)がチーム最年長として存在感を発揮。24日は2度目の休養日だったが、ダルビッシュら投手組を中心に、12人が休日返上で練習した。特に若侍の投手たちはMLBのレジェンド右腕とより多く接する機会を得ることで、超一流ならではの調整法と独自の理論を吸収しようと、前のめりになっている。

 降りしきる雨の中、合宿中2度目の休養日は、多くの侍投手陣が室内練習場の木の花ドームに集まった。この日はダルビッシュに加え、山本、宮城、宇田川(いずれもオリックス)、佐々木朗(ロッテ)、今永(DeNA)、伊藤(日本ハム)、戸郷(巨人)、栗林(広島)、湯浅(阪神)、高橋宏(中日)、そして野手組からは山川もサポートメンバーの西川(ともに西武)とともに休日返上で練習を行った。

 25日は合宿スタート後初の実戦となるソフトバンク戦が控えている。先発・佐々木朗、同じく登板予定の今永、宮城ら7人の投手にとっては前日調整の意味合いもあったとはいえ「やはりダルが休日返上で練習するから〝自分たちも、ぜひ一緒に行きたい〟という思いが強かったようだ」(侍ジャパン関係者)。

 第1クール終了後、合宿最初の休養日となった20日もダルビッシュは休むことなく黙々と練習を行った。だが、この時に参加した他のメンバーは宮城のみ。前出の関係者は「あれから比べれば、今は明らかに投手陣全体に『ダル流』のスタイルが広まり、皆が実践しようと意識している」と解説し、次のようにチーム内の〝変化〟について打ち明ける。

チームに溶け込んだオリックス・宇田川(右)
チームに溶け込んだオリックス・宇田川(右)

「最初の休養日の前日(19日)にコーチの1人が選手たちの前で『明日練習やる人は?』と確認したら、即座にパッと手を上げたのがダル1人だった。そこから少し遅れて周囲を見渡しながら、やや遠慮気味に手を上げたのが宮城。この時点ではやはり若い投手陣たちのほとんどは、まだ超大物のダルにどこか近づきにくいオーラを感じていたのかもしれません」

 こうした空気を感じたからなのか、ダルビッシュは20日に午前中から宮城と休日返上練習を行った後、同日午後からは他の投手も引き連れ、スワンボートに乗船するなど〝スキンシップ〟を実施。さらに同日夜には、緊張気味でチームでもやや浮いた存在になりつつあった宇田川を何とか〝救済〟しようと「宇田川さんを囲む会」と題した投手会を催し、23日夜には山川、源田(西武)ら一部野手陣との食事会も率先して行った。

「ダルが自ら距離感を縮めてくれたことで、特に投手陣たちは『少しでもダルさんと一緒の時間を過ごし、すべてを吸収したい』と考えるようになった。2度目の休前日の23日にコーチ陣が同じように選手たちの前で『明日、練習する人は?』と聞くと、ダルとともに他の10人の投手たち一斉に手を上げた。この光景は圧巻でしたよ。これも間違いなく『ダル効果』と言えるでしょう」(前出の関係者)

 ダルビッシュに心酔する若侍の面々は今合宿で日を重ねるごとに、どんどん増えているようだ。