WBCの大舞台が大器を覚醒させるかもしれない。巨人から日本代表に選出された岡本和真内野手(26)と大城卓三捕手(30)ら4選手が一軍キャンプを離れ、16日から代表合宿に合流する。その2人の大変身を期待するのが亀井善行打撃コーチ(40)だ。〝世界一〟に輝いた2009年大会に出場した経験から得られた意外な大収穫とは――。

 巨人の一軍メンバーは15日に宮崎から2次キャンプ地の沖縄入り。WBC組の岡本和と大城卓、戸郷、大勢は代表合宿が行われる宮崎に残り、この日はつかの間の休養にあてた。「メンバーになった以上は世界一に貢献できるように」(岡本和)、「世界一を取って日本に帰ってこられるように頑張りたい」(大城卓)。そう目を輝かせていた2人に、さらなる進化の可能性を感じ取るのが亀井コーチだ。

 同コーチは09年大会で万能の控え選手として世界一に貢献。出場したのは3試合で打席に立ったのは2度だけ。しかし、特殊な調整が求められた中でも、いざシーズンが開幕すると打棒を一気に開花させた。5番打者に定着して134試合に出場し、打率2割9分、25本塁打、71打点。142安打を含めてすべてキャリア最高の結果を残し、チームのリーグ3連覇に大きく貢献した。なかなかレギュラーに定着できなかった当時、何が大ブレークのきっかけとなったのか。

「WBCのボールって、やっぱり米国のボールだから飛ばないんですよ。それが日本に帰ってきたらめちゃくちゃ飛んだんです。本当に。(ボールへの)インパクトも強くなったし、バッティングも良くなった。自信がついたというか。それでやっていくうちに成績も出せた」

 WBCで使用される球の重さは「約148・8グラム」でNPB球よりもおよそ7グラム重く、サイズも「約23・5センチ」で0・6センチ大きい。この〝誤差〟に投手が苦しめられるケースも多いが、打者は重いWBC球に慣れることが日本ではプラスに働くこともあるという。感覚的なものではあるが、実際に自分の目を疑うような衝撃の光景を目の当たりにしていた。

 亀井コーチは「(帰国後に)僕もジャイアンツ球場のバックスクリーンに入れたんですよ。普段はあそこまで絶対に飛ばないのに。(ともに出場した)阿部さんもすごく飛んで(さらに上部の)ネームのところに当てましたからね。インパクトとボールの違いはあったと思います」と述懐する。

 それだけに、日の丸を背負う2人への期待は高まる。「和真も大城も楽しみですね。化けるかもしれないし、覚醒する可能性もある」。昨季まで5年連続で30本塁打の岡本和と、自己最多の13発を放った大城卓にWBCがさらなる劇的進化をもたらすかもしれない。