利便性か、それとも従来通りか。日本ハムの助っ人アリスメンディ・アルカンタラ内野手(31)が3月に開場する新球場「エスコンフィールド」への通勤方法に頭を悩ませている。

「メンディ」の愛称で親しまれている来日2年目のドミニカンは現在、沖縄・名護の一軍キャンプで連日汗を流している。シーズン中は札幌中心部のマンション暮らしで、昨季は本拠地の札幌ドームで試合が行われる際には同僚のポンセらと最寄り駅から徒歩を含め、およそ30分の地下鉄通勤を続けてきた。

 だが、今季から本拠地が隣の北広島市に移転するため、移動方法が激変する。そこで、本人はまだ見ぬ新球場へのアクセス法を模索しているという。

 仮に昨季と同様に電車通勤となれば、札幌駅から新球場の最寄り駅となる北広島駅まではJRの快速で約20分。そこに球場までの徒歩約20分が加わる。札幌中心部から地下鉄を利用して新札幌駅に向かう方法もあるが、その場合も駅から新球場まではバスかタクシーを使いたいところだ。

 最も楽なのは自宅からのタクシー通勤だろう。所要時間は40分ほどで1万円ほどかかるが、球団も外国人選手にその程度の交通費は必要経費として支払うだろうし、この移動手段が最適なように思える。だが、アルカンタラは「タクシーでの自宅と新球場の往復は僕にとって最終手段かな」と言う。

 不便なようでも、電車移動にこだわるのには理由がある。

「電車で通勤すれば、その過程でいろいろなものが視界に入ってくる。人や物、景色。そういうものを感じながら球場を往復したほうが、僕の場合は気分転換できるんだ。もちろん自宅と球場を毎日タクシーで往復するほうが便利だろうけど、その往復だけだと気持ちの切り替えが難しい。昨年は帰り道にあえて自宅の最寄り駅より前の駅で地下鉄を下車して、そこから札幌中心部の地下道を歩いて帰宅したこともあった。だから新球場への移動もその方法(電車通勤)を続けたい」

 昨季は往復の地下鉄内でファンとたびたび遭遇する機会があり、常に笑顔で応対。音楽を聴きながら満員電車に揺られる姿も珍しくなかった。そんな電車通勤をこよなく愛する助っ人は「札幌に戻って一度自分で試してみて、どんな方法がベストかを決めようと思っている」そうだ。