まさかの離脱も持ち味の不屈の精神で巻き返す――。

 キャンプイン目前で右手人差し指を骨折し、戦線離脱を余儀なくされた日本ハムの逆輸入ルーキー・加藤豪将内野手(28)が本紙に現在の心境を赤裸々に語った。

 昨年のドラフトで日本ハムから3位指名を受け日本行きを決断。米国育ちの異色の新人は長年にわたる米メジャー、マイナーでの経験を生かし、日本球界1年目からの活躍に意欲を燃やしていた。それがまさかの出遅れを余儀なくされた今、28歳のオールドルーキーは何を思うのか。

加藤豪将(左)と田中正義
加藤豪将(左)と田中正義

 ――キャンプイン直前の自主トレ(1月30日)でまさかの骨折。今の率直な思いは

 加藤豪 もうほんと、落ち込んでいますよ。オフにしっかり頑張って準備して「これから」という時に骨折ですから。キャンプも一軍スタートが決まっていたのに初日から別メニュー。何とも言えませんよ…。

 ――自主トレのノック中にケガをしたそうだが、その時の状況は

 加藤豪 土のグラウンドでノックを受けていたのですが、イレギュラーバウンドが来てしまって。指のこちら側(人差し指の腹側)で捕ればダメージは少なかったと思うんですけど、なぜか指の先端(爪)の方にボールが来て。捕り方が悪かったんです。でも、自分ではケガした瞬間は大丈夫だと思っていた。当たった瞬間にわかるじゃないですか。これまでの経験でこれは大丈夫か、ダメなのかとか。それで検査したらこういう結果になってしまって。ショックでしたね。

 ――開幕までには間に合うそうだが

 加藤豪 おそらく大丈夫だとは思うんですが、僕にとっては今回のケガはプロに入ってから初めての大きなケガなので。先のことはわかりませんが、早く治してできる限り早く復帰したいです。

 ――不運だったとはいえ、こうして今一軍の練習に別メニューで参加している。

 加藤豪 ポジティブ(前向き)に考えるとそうですね。でも、今思うと、昨年10月の秋季練習からチームに参加させてもらって本当に良かった。あの時にチームのメンバーと交流できましたから。もし秋季キャンプに参加せず、いきなりアメリカから来てこの状況だったらどうなっていたか。キャンプ初日から別メニュー調整にはフラストレーションがたまりますけど、ほんと昨年からチームに溶け込めたことは良かったと思っています。

 ――初めての日本の春季キャンプはどうか

 加藤豪 まだ別メニューなので何とも言えませんが、みんな声をかけてくれますしやりやすい。ただ、日本語にはまだ違和感がありますね。やはり英語の方が楽に話せる。英語で話しましょうよ(笑い)。メンディー(アルカンタラ)と(英語で)話をしている方が僕は楽なんで。そのへん(日本語)は早く慣れたいですね。

 ――日本の取材には慣れたか

 加藤豪 いや、それもまだですね。特にぶら下がり(選手が報道陣と歩きながら話す取材方式)は僕には違和感でしかない(笑い)。ご存じのようにメジャーやマイナーはロッカー内で取材を受けますし、歩きながら報道陣の取材を受ける場面はないじゃないですか。だから嫌なんです、歩きながらの取材は。これからも僕は極力立って取材を受けたいので。お願いします(笑い)。

 ――新庄監督の野球には以前から興味を持っていたそうだが、実際にチームに入ってみてチームの雰囲気は

 加藤豪 これまで僕はメジャー、マイナーを含めいろいろなチームでプレーをしてきた。マイナーでヤンキースに入り、その後マーリンズ、パドレス、ブルージェイズ、メッツ。全部ワールドシリーズを勝ちに行くようなチームでした。その経験から考えても今のチーム(日本ハム)は素晴らしいと思いますよ。

 ――具体的に言うと

 加藤豪 これは日本でもアメリカでも同じだと思いますが、どうやってシーズンを勝ち抜くかという方法はチーム、監督ごとに違う。例えばブルージェイズは右打者中心のオフェンス(攻撃陣)とブルペン(救援陣)。ヤンキースはジャッジの周り(の打者)がどう機能するかだったりだとか。そういう各チームの個性、戦い方を考えると今のチーム(日本ハム)は新庄さん自身のキャリアの流れを受け継いだチームのように感じます。監督が言うようにまずは守備を固め、攻撃では足を使ったり、相手が嫌がるような策を積極的に行ったり。戦力を見ても(先発左腕の)加藤貴さんだったり、WBCに出場する伊藤、昨年首位打者に輝いた松本剛さんだったりと素晴らしい選手が大勢いる。決して勝てないチームではない。だからこそ僕もそのピースに早くなりたいと思っています。

 ――そのためにも前向きな気持ちを持ちながら早期回復を祈るしかない

 加藤豪 そうですね。でも、この状況(骨折)になってポジティブな気持ちを保つのが本当に難しい。よく他の人にポジティブな性格だから大丈夫と言われますが、さすがに今はポジティブになれません。まあでも、今までの自分の野球人生を考えると今回のこと(ケガ)は決してワースト(最悪)の出来事ではないので。だって、昨年だけでも僕、2回クビになってるので。ようやくメジャーに昇格して、いきなりクビとか(笑い)。あの時はほんと自分で、何やってんだって思いましたから。それに比べれば、ですよ。

 ――アメリカでプレーしている時からどんな状況に陥っても這い上がってくる不屈の精神が加藤豪選手の特徴でもあった。

 加藤豪 その思いだけは誰にも負けないと思っていますから。今は落ち込んでますけど、絶対に1年目から頑張ってチームの力になりますから。見ていてください。