本人の希望とは裏腹に大抜擢もあるか。日本ハム・田中正義投手(28)の評価が、キャンプインから急上昇を続けている。
FAでソフトバンクに移籍した近藤健介(29)の人的補償で加入した右腕は3日、今キャンプ2度目のブルペン入り。この日は捕手を座らせて40球を投げ込んだが、150キロ近い威力ある直球だけでなくキレのあるカーブ、カットボール、フォークを披露するなど、仕上がり具合は順調そのもの。本人は「直球の力具合は8割~9割? そうですね。でも(変化球の精度は)まだまだ上げていかないといけないところはある。これからですね」と話すが、すぐにでも実戦登板できる抜群の気配を漂わせている。
この仕上がりぶりにブルペン投球を見守った新庄監督も「いいねぇ」「ふぅー!」と投球練習中に何度も声を上げるなど、満面の笑み。普段ブルペンに長くとどまらない指揮官が、この日ばかりは最後まで投球練習を見守った。期待は相当だ。
そんな指揮官の動きと本人の仕上がり具合があるからか、周辺ではここにきて「ある声」がささやかれ始めている。それが田中正の「守護神抜擢」だ。
田中正は1月の移籍会見の席で起用法に関し「先発をやらせてもらいたい」と明言。現時点でもその希望は変わっていない。首脳陣もその思いを優先すべく、ここまでは田中正を先発として起用する構えを見せている。だが、日本ハムの先発陣は加藤、上沢、伊藤の日本人3本柱に加え、ポンセ、ガントらの助っ人勢を含めると残り枠はごくわずかだ。
一方、救援陣は石川直、北山らがいるものの、先発陣と比較すれば手薄感は否めない。守護神候補の一人としてオフに阪神からトレードで獲得した斎藤友も、キャンプ初日の紅白戦で右膝を痛めまさかの1球降板。早くも戦線離脱を余儀なくされた。そんなチーム状況もあり、150キロ台の直球とフォークを武器にする右腕に白羽の矢が立つ可能性は十分ある。
新庄監督から投手陣の全権を委任されている建山投手コーチは、今季の田中正の起用法について「一応、先発の調整を段階を経てやっていけばいいのかなと思う」と話す一方、「(投げる)出力に関しては昨年終盤(ソフトバンクの中継ぎとして)投げたのを見てすごいものを感じている。先発の調整をして中継ぎにはすぐ戻れるので」とチーム状況次第では救援への配置転換も視野に入れている。それだけに「守護神・田中正」の誕生は夢物語ではない。
2016年ドラフトで5球団が1位指名した豪腕が復活を遂げつつある今、果たして「持ち場」はどこになるのか。周囲の期待値が高い分、今後も注目を浴びそうだ。













