周囲の心配をよそに、韋駄天の心中は穏やかだ。ソフトバンク・藤本博史監督(59)は6日の取材対応で、日本代表としてWBCに出場する周東佑京内野手(26)について言及。「懸念はある。周東なんかは足だけで使われたら、結局、実戦の打席っていうのは立てない。走るとか守るとかは問題ないが、やっぱり打つほうがね。実戦の間が空いたら、なかなか開幕からすぐ結果を出せるかは心配」と語った。

 周東は球界屈指の走力に加え、国際試合の場数も積み重ねてきた。侍ジャパン・栗山監督が唯一無二の戦力として招集した「代走の切り札」。勝負どころでの途中出場が主な起用になることは容易に想像がつく。日本が決勝まで進めば、17日スタートの合宿から数えて1か月以上も所属チームを離れることになる。打席数を多く望めない周東は実戦不足という代償を抱えるだけに、主力として期待するホークス陣営が懸念を示すのは当然だ。

 だが、ネガティブになりすぎても始まらない。それを誰よりも理解しているのが、周東本人だ。

「もちろんシーズン序盤は難しさがあるはず。でも、開幕のところを意識しすぎてもよくないというか、そこの結果にとらわれないようにしたい。ペナントの局面、優勝する時に自分がレギュラーとして立っていることをイメージして、シーズン全体で活躍することを考えたい。優勝するために、チームのために、自分の力を最大限発揮できるように」

 侍選出と同時に自らの立ち位置を確認、今後の状況から逆算した準備と戦い方を頭の中で整理して、キャンプに臨んでいる。

 昨年から上半身の使い方を改善した打撃に、開眼の兆しがある。手を動かしすぎず、胸椎を意識した打法がなじみ、確実性と打球の強さが出てきた。進むべき道が定まっているからこそ、泰然自若。今年描く青写真は、もちろん侍「世界一」からの鷹「日本一」。自分のため、周りのため、韋駄天はすべてを丸く収めるつもりだ。