頼もしいキャプテンからキャンプリポートが届いた。3年ぶりのリーグV奪回を狙うソフトバンクの絶対的主砲にして主将・柳田悠岐外野手(34)が、宮崎春季キャンプの5日に第1クールを総括。背中で引っ張る男らしい視点で、チームの変化を感じ取った。心のよりどころでもあった松田宣浩内野手(39)がオフに巨人へ移籍。熱男のいない初めての春、どこからともなく伝わる熱男の野球熱に、大きな刺激を受けている。

 人気、実力ともに球界屈指の大砲が宮崎の青空に大きな放物線をかけて鷹党を沸かせた。1万4900人のファンが詰めかけた今キャンプ最初の日曜日。ミスターフルスイングは、フリー打撃で場外弾を含む柵越えを連発して注目を一身に浴びた。昨季V逸の悔しさを胸に、今年にかける思いは人一倍。それでいて気負いすぎず、練習中の穏やかな表情が心身ともに充実のスタートを切ったことをうかがわせた。

 魅力である天真らんまんな言動とは裏腹に、洞察力にたけた生粋の野球人でもある。そんな主将は、これまでのキャンプとは違うある変化に気づいていた。

「外国人選手たちが2月1日に来てくれたのは、チームにとって大きなプラスしかない。みんなお互いのことを知らないわけで、すべてはお互いを知ることから始まりますから。開幕まで、言うても2か月しかない。初日からいるってことが本当に貴重なことだと思います」

 この春は、WBCキューバ代表に選出されているモイネロを除く助っ人全員がキャンプインまでに来日。キャンプ中盤から終盤にかけての途中合流という形が通例だっただけに、これまでにない変化だった。プロとは言え、本拠を離れた地で1か月間を過ごす中で芽生える絆や団結がある。だからこそ球団は助っ人陣の早期合流に尽力し、その効果をいち早く感じ取ったのが柳田主将だった。

 特に新戦力のガンケル、オスナ、アストゥディーヨ、ホーキンスが「2・1」に顔を揃えた事実は意義深かった。キャンプインからわずか数日だが、柳田は新助っ人・ホーキンスの人柄の良さに触れた。

「宿舎で僕がモノを落としたんですけど『アッ!』と思ったら、すぐ拾ってくれたんです。そんなすぐ拾わんでもいいやろってくらいに拾ってくれた。めっちゃくちゃ優しいんです」

 チームスポーツゆえに、仲間の性格や人間性を深く理解する中で醸成されていくものがある。同じ失敗であっても、その対象者がどういう人間かで周囲のサポートは異なる。いい面も悪い面もお互いを知ることで、普段のコミュニケーションは円滑になる。柳田がメリットを強調する理由だった。

 変化で言えば、この春のホークスキャンプにはあの男がいない。巨人に移籍した松田宣浩内野手(39)だ。柳田は「初めてなんですけど、まあ率直に言って寂しいです」と本音を語る。ただ、違うユニホームであっても白球を追い続ける熱男の姿に盟友・柳田は力をもらっている。新天地で39歳の実績ある大ベテランは日が昇る前に練習場に向かい、早朝7時からバットを振っている。

「本当にカッコいいです。と同時に、負けてらんないなという気持ち。僕もまだまだ頑張らないといけないと思わせてもらえる存在です」

 かつて鷹の象徴として指針を示し、それを間近で見て学んできた柳田。盟主と呼ばれる名門球団に移っても、変わらぬ姿に誇らしい思いと刺激を受けている元同僚たちは多い。柳田主将の言葉が、まさにその思いを代弁しているようだった。

 オフの大型補強もあり、ガラッと変わったソフトバンク。船出は上々、視界良好――。主将の目にはそう映っている。