ソフトバンクのリチャード内野手(23)の評価が急上昇している。立候補制のアーリーワークにも毎日参加し、この日は志願特打も行った。

 王球団会長は「ちょっと疲れも出ている選手もいたけど、彼は頑丈だね。今年にかけてるね」とニッコリ。藤本監督は初日に自ら宿舎の部屋を訪ねてきたことを明かし「20~30分話をした。昨日も室内で吉本コーチに『投げてください』とお願いしてよく打っていた。今も見てたら集中して打っていた。目つきが変わってきたよね」と目を細めた。

 いよいよロマン砲が覚醒するのか。A組(一軍)、B組(二軍)の振り分けの際、指揮官が一番頭を悩ませたのが、リチャードについて。そんな中でA組に推薦したのが、厳格さでも知られる小久保裕紀二軍監督(51)だった。昨季、二軍での打撃指導を通じ、確実な成長、変化を感じてきた一人だ。

 二軍ではウエスタン新記録の29本塁打をマーク。指導されていたことに真摯に取り組み、8月以降は出塁率も1割近くアップしていた。小久保二軍監督によると、野球ノートで交わしていた言葉にも変化が出てきていたという。シーズン後には「ファーム全員にその日の投手の対策を提出させていたが、彼にはその日の打席全部の振り返りまで、次の日に提出させていた。自信をつかんで言葉が変わってきた」と笑みを浮かべていた。

 一軍では打率1割5分9厘、3本塁打、5打点。オリックスの左腕・宮城、田嶋との相性を買われ、調子が良かった終盤に首位攻防戦、CSで呼ばれながら、結果が出なかった。それでも二軍指揮官は着実な成長を確信。「優勝争いの終盤にポンと行って簡単に打たせてくれるほど甘いものでもない。8月以降の野球、打撃に対する取り組み方は変えるなよという話はしている」とも口にしていた。

 激しい競争の中でレギュラー獲りを誓うリチャード。周囲の期待は大きい。「(振る)数というよりは自分が納得できたらいい。話しかけられないくらい練習している人とかがいるじゃないですか。そういうのを目標に毎日やってます」と静かな闘志を燃やしている。