中日・和田一浩打撃コーチ(50)の斬新な指導法がチーム内で話題となっている。昨季6年ぶり最下位に沈んだ立浪監督の就任1年目は、深刻な貧打にあえぎ、通算2050安打、319本塁打、1081打点、通算打率3割超え(3割3厘)の卓越した打撃理論を持つ和田コーチに白羽の矢が立った。

 ところが、沖縄春季キャンプで和製大砲候補の鵜飼航丞外野手(23)らのフリー打撃での柵越えが昨春よりも明らかに激減。これに和田コーチは「実際、飛ばそうと思ったら飛ばせる。ある意味、打撃練習のホームランはショーに近い部分がある。一定のボールをカウンターパンチで飛ばしているだけなので。ただ、試合ではそんなボールはこないので、いろんなボールがきた時に安定したインパクトを迎えるための練習をしている。気持ち良く飛ばしていたら、試合に生きないと僕は言っている」と力説する。

 この〝教え〟を忠実に守っている鵜飼も「とにかく打撃練習を気持ちよく打たないということがテーマ。反対方向を意識してポイントにボールを近づけて(バットが)体から離れないように打つ練習をしている」と明かす。

 他にも若手野手にテニスをさせる打撃練習を敢行。落合ヘッドがテニスボールを正面から投げてワンバウンドした地点まで走り、打撃スイングのように両手で打ち返すというもの。その意図を和田コーチは「テニスはいろんな動きがすごく打撃と一緒。しっかりボールを打ち返すには、反動を使っていかないと打ち返せない。テークバックの部分に共通するし、足の入り方、軸足の使い方、ヒットする時は面の使い方、いろんな部分で共通する部分がある。回数を重ねていくうちにちょっとずつ感覚の部分ではつかんでいけると思う」と説明する。

 鵜飼は「僕は右足の使い方がヘタなので、ステップしながら打つことは大事。間合いを作れるのが一番の利点。テニスプレーヤーになったつもりでやっている。これからも毎日やります」。チーム関係者は「インパクトを大切にするために気持ち良く柵越えすることは意味がないとか、プロ野球選手にテニスをさせるとか、和田コーチはこれまでにはない発想が面白い」と期待を寄せている。

 7年ぶりに古巣復帰、アイデアマンぶりを発揮している和田コーチが貧打解消の立役者となるか。