【今村猛 鉄仮面の内側(16)】2021年10月14日に球団事務所に呼ばれ、戦力外通告を受けることになりました。この年、二軍ではそこそこ投げていたので、まだ投げられるかなというのはありましたが、呼ばれた時点で覚悟はできていました。
周囲からまだやれるという声もいただきありがたいなとは思いました。ただ、他球団での現役続行という思いは薄かったですね。
その後、行われたトライアウトは受験しませんでした。トライアウトが実施された2週間後、他球団からの連絡もなく、12月22日にマツダスタジアムで松田球団オーナーにごあいさつをさせていただきました。
ここで引退をはっきり報告して区切りをつけた形です。長崎・清峰から09年にドラフト1位で指名してもらい、1年目の10年から21年まで12シーズン、通算431試合に登板させていただきました。
13年にはWBC日本代表にも選出していただき、16年からのリーグ3連覇も経験させてもらいました。プロ通算21勝30敗、36セーブ、防御率3・46。115ホールドは球団歴代最多記録という成績で引退することになりました。
30歳での現役引退。この時点ではもう完全に切り替えていました。12月25日にはユーチューブチャンネル「今村猛―カピチャンネル―」を開設させていただきました。
まずはチャンネルを開設して最初に告知をさせていただいて、22年から本格始動という計画もあり、そういう流れで動き出しました。現役時代から支えていただいていた仲間がスタッフというような形でスタートしています。
実際、野球を嫌いになったわけではないですし、野球というスポーツにはこれからも携わっていきたいと考えています。SNSで個人が発信できる時代ですし、積極的にファンの方との交流も図っていきたいと考えています。
自分の位置づけというとなんなんでしょうね。フリーはフリーなのですが、応援してくれるスタッフがいてお仕事を手伝ってもらって。何でもありなんですが、アスリートタレントということになるんですかねえ。
すでにいろんな企画が動き出しています。走健塾という団体が主催するマラソン大会に出場するため、ランニングも重ねてきています。春から練習を重ねてきて2月5日に広島県内で開催される大会にはフルマラソンに挑戦する予定なんですよ。
しかし、引退してしばらくして、プロ野球も開幕して、なんで僕はこの時期に野球をしていないんだろうかとか、こんなゆっくり起きていいのかなとか思ったりするんですが。引退したという現実を一気にではなくて、徐々に感じていますね。
現役引退の話の流れからこの連載も終了みたいな雰囲気の文章になりましたが、まだまだ続きますからね。プロ野球は引退しても、人生の引退はまだまだ先です。これからが大人としての人生と思って生きている毎日です。
これまでは時系列で僕の現役時代を振り返ってきましたが、ここからは印象に残ったエピソードなどをご紹介させていただきます。












