宝の山と言われたリストの中で新庄ファイターズが選択したのは、未完の大器だった。ソフトバンクがFAで獲得した近藤健介外野手(29)の人的補償として、田中正義投手(28)が日本ハムに指名された。
言わずと知れたドラフト5球団から1位指名を受けた豪腕だ。ここまでプロ未勝利とはいえ、現場、フロントともにチームでの期待度は高かった。昨季は開幕ローテ内定目前での右肩違和感による離脱や新型コロナ感染などもあり、一軍登板は5試合にとどまったが、登板時は一級品のボールで5イニングを無失点に抑えた。
プロテクトできるのは28人と限りがある。それだけに「致し方ないこと」ではあるのだが、確実に〝兆し〟を見せていただけに、球団内で惜しむ声は少なくない。何よりチームとして脅威となる新天地での〝大器覚醒〟も、あってもおかしくないと見られている。
「気持ちの面も年々強くなってきていた。昨季も殻を破って突き抜ける感じが出てきていた。新庄監督も気に入って獲得しているわけだし、確実にチャンスはもらえるはず。痛みに弱いところがあったが、新しい環境に移ることが気持ちの面も含めてプラスに働けば、大化けは十分ありますよ」(チームスタッフ)。
日本ハムにとって田中正義は、アマ時代から熱視線を送り、ドラフトでも入札している選手。もちろん、その後の姿を見てきた上での再指名だ。そのポテンシャルには新庄監督も熱い期待をかけており、創価高、創価大で7年ともにプレーした池田や、当時の大学野球部の主務が広報として身近にいるなど、心機一転で飛躍を期する環境としては整っている。
過去にも移籍により才能を一気に開花させた選手はいる。その潜在能力を発揮すれば「強敵」として大ブレークの可能性はありそうだ。












