巨人の大久保博元打撃チーフコーチ(55)が「パ・リーグ魂」注入でチームに11年ぶりの日本一をもたらす。現役では西武、巨人、指導者として西武、楽天とパを主戦場にしてきた同コーチは「セとパには大きな違いがある」と断言。パのメソッドを取り入れることで巨人を強化していく考えを示した。
  
 V奪還を託された大久保コーチは「アーリーワーク」「ケース打撃」「1日2000スイング」と巨人に次々と新機軸を打ち立てている。 

 その目的について「ジャイアンツをパ・リーグに勝てるチームにすること」と明言。同コーチは「パの投手はダルビッシュ(パドレス)だったり、田中(将大=楽天)だったり大谷(エンゼルス)だったり、その時々の球界トップのパワーピッチャーを目指して練習してきた。一方、打撃陣もその投手を打たないと勝てない。今なら山本由伸(オリックス)を打たないとダメでそこが練習の目標になる。だから直球に強くなるし、それに負けないようにピッチャーもさらに直球が強くなる」と自論を展開する。

 先発の直球の強さは中継ぎ陣も強化。「日本一になったオリックスを見ると、ビハインドで出てくる中継ぎ投手がみんな150キロ後半を投げている。『お前、勝ちパターンでいいじゃん』って」と投手力の差を指摘する。 もちろんただ嘆いていても仕方がない。現在の巨人の戦力を底上げし勝率を高めていく。「セは投手が打席に入るから、1試合で3イニングは得点力が落ちる。何点取れば勝てるではなくて、何点に抑えれば勝てるという真逆の考え。そのために大事になるのが捕手の打撃。8番の捕手が打たないと投手と合わせて簡単に2アウトになってしまう。これでは勝てない」と捕手の打撃をキーポイントに挙げる。

「捕手のリード面は阿部ヘッド、村田善コーチがやるけど、こっちは打撃を改善させる。小林はあの強肩で盗塁を刺したうえで打率2割5分がノルマ。大城の場合は本塁打を20本打たないといけない。大城に誰を目指すか聞いたら『阿部さんです』と答えたので、いま全然、違うじゃないかと言った」(大久保コーチ)

 パを目指してチーム力を強化することで、セでは突き抜けることになる。大久保コーチの試みは果たして結実するか。