これも力があるものの宿命なのか。来年3月にWBCを控え、各球団とも春季キャンプ中の主力離脱を余儀なくされる中、巨人は早くも来季開幕戦(3月31日、中日戦=東京ドーム)を守護神抜きで迎える覚悟を決めた。

 3年ぶりV奪還を目指す巨人にとって、大きな悩みとなるのが守護神・大勢投手(23)の動向だ。

 11月の侍ジャパン強化試合で初代表に招集された大勢は、WBC本戦でも激突するオーストラリアとの強化試合(11月10日、東京ドーム)で、9点リードの最終回に登板。サイドスローから力のある直球で3人でピシャリと抑えた。

 本戦選出が濃厚な右腕だが、阿波野秀幸投手チーフコーチ(58)は「9回は今年、大勢があれだけの力を示して任せた部分がある。その期待は大きい」と当然、来季も守護神を託す方針だ。一方で侍ジャパンへの招集については「大勢が代表に選ばれれば、名誉なこと。起用方法は苦しい時に短いイニングを投げたり、抑えを任されるか。それを見ながら大会後について、いろいろ踏まえて考えたい」と、選出を前提としてシーズンでの起用法を思案している。

 大勢が侍メンバーとなり、WBC決勝(3月21日、米国・フロリダ)まで進んだ場合、ボールの違いや時差調整、休養を考えると、3月31日からの開幕カードは大事をとることになるという。

 代役守護神について同コーチは「そこが大事。大勢がいなくなった時に誰というのは、その前のイニングをしっかり整えていけば。そこに厚みを持たせるのが大事なことかなと思う」と7、8回に投げる投手層を厚くすることで対応していく構えだ。

 巨人にとって唯一の救いは、村田善則ブルペンコーチが侍ジャパンのバッテリーコーチとして帯同すること。「コンディショニングの部分ではより深い情報というか、そこは詰めやすいのは確か」と阿波野コーチは生の情報を期待する。

 大勢自身も「一番の目標は世界一」とWBC出場を熱望。今後のキャリアを考えても、大谷(エンゼルス)やダルビッシュ(パドレス)と同じチームで戦えるチャンスを逃すつもりはない。代表を経験した大勢がさらに成長することが、巨人にとっても大きな財産となるが、果たして…。