女子プロレス「スターダム」は29日に東京・両国国技館で年内最終興行を迎える。メインは〝お騒がせ女〟ことジュリア(28)が王者の朱里(33)に挑むワールド王座戦。5回にわたりお届けした連載最終回は、ジュリアが2023年の〝未来予想図〟を公開だ――。

【ジュリア お騒がせ女の帰還2022(5)】

 ――今年は一歩引いて周囲をサポートする機会が多かった

 ジュリア そうだね。テクラが入ってきたり桜井(まい)が入ってきたりして、全力サポートに時間を使ったかな。だから、2023年は舞ひめ(舞華&ひめか)も桜井もテクラもそうだけど、自分の頭でいろいろ考えて、上を目指してほしい。私も自分のことを考えて、言っても一人の人間なので、自分のための1年にしたいと思うから。

 ――「ドンナ・デル・モンド」として新たなステージに突入する

 ジュリア ユニットとして盛り返したいってのはあるけど、一人ひとりが話題つくって全力でやっていかなきゃいけないんで。私がつくる話題は、やっぱり私の色になってしまうと思うから。舞ひめなんかはもう、自分の考えで動いてる。もっとやっていいと思うけどね。桜井については、今年は私が面倒見てやったって感じだと思うので、来年は自分でどうするかだよね。

 ――桜井はどうなるか

 ジュリア あの子は面白いですよ。普通とズレてて。まだいろいろ遠慮してるけど、自分をさらけ出すようになったら、すごい上に行けると感じる。まるっきり普通の人を見ても面白くないからね。プロレスって。変なヤツじゃないと(笑い)。
 
 ――個人的に23年にチャレンジしたいことは

 ジュリア 二十代ラストだからね(笑い)。うーん、スカイダイビング!

 ――は、はい?

 ジュリア 心臓に悪そうだし、若いうちに(笑い)。ずっとやりたいと思っているんで、よろしくお願いします。なぜかって? 小さいころからやってみたくて、ブシロードのスタッフに「何か企画でやりたことあります?」って聞かれたら、いつも「スカイダイング!」で言ってるんだよ。「いいですねえ」って言われながら流されて流されて…何でみんなやってくれないの? スカイダイビング。私は空を飛びたいんだよ!

 ――…。本業のプロレスではどうですか

 ジュリア スターダムってビッグマッチが多いじゃないですか。リング上から見ていて、空席が目につくんですよ。数字的には何千人超えたとか、いい数字なのかもしれない。でも、大きい会場でやるからには、そのレベルじゃダメだと思うし。そのためにどうしていかないといけないのか。考えること、やることがたくさんあると思う。ただ自分の試合だけを頑張って、いい試合を見せていればいいというのは違うと思うので。私は会社にも発言していきたいね。

 ――団体として、もうワンステージ上に行くと

 ジュリア 私が5★STARを優勝した時に言った「諸君に最高の景色を見せたい」と言ったのは、そういうことなんだよ。たくさんのお客さんに見てほしいから。そのためにだったら、言いにくいことも言わなきゃいけない。それはお客さんに見えないとこでも、しっかりやってくつもり。今ある環境に満足して食い潰していたら、そう遠くない未来に頭打ちになってしまうと思う。ここから本当に上を目指すなら、改革しなくちゃならないことがあると思ってる。

 ――ファン時代に大観衆の会場を経験したことは

 ジュリア それこそ1・4(新日本プロレス1月4日東京ドーム)とかも見に行ったりしてた。会場の熱気っていうのは、お客さんも一緒につくっているものじゃないですか。お客さんがたくさんいればいるほど、その熱気というのはさらに熱くなって、もっと楽しいんだよ。選手もすごいものを見せてくれるから、お客さんも集まってくれて、そこで生まれる熱気がある。

 ――確かに相乗効果が生まれる

 ジュリア そこでパワーをもらって、私もたくさんの人の心に残る空間を与えていきたい、見せていきたいって思う。プロレスって、それが面白いんじゃんって。そこには試合内容はもちろん、ドラマも必要だね。
 
 ――そのためにも赤のチャンピオンとして23年を迎えられたら最高ですね

 ジュリア 本当だね。チャンピオンになっていたら、まずは素晴らしいこと。でも、ジュリアにとってというより、お客さんですよね。それでお客さんが最高だと最後に思ってくれたら、それは私にとって最高の年って言えるだろうし。そうなれるように努力したいね。どこまでやれるか、がんばりますよ。朱里戦、見に来てくれよ、諸君!(終わり)