まさに〝神待遇〟だ。ヤクルトの村上宗隆内野手(22)が9日、東京都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3年総額18億円でサインした。単年ベースでは年俸6億円で今季の2億2000万円から倍増以上の昇給。山田哲人内野手(30)の5億円を抜いてチーム最高年俸となり、6年目の年俸としては菅野智之投手(巨人)の4億5000万円を超えて史上最高額だ。3年契約は2025年オフのメジャー移籍を見据えたもので〝村神様〟に至れり尽くせりの内容となった。
文句なしの契約更改だったはずだ。チーム最高年俸となる6億円という金額もさることながら、契約年数も村上の夢に沿う形となった。
先月14日に日本記者クラブで行われた会見で、村上は「できるだけ早くメジャーに行きたい」と宣言した。しかし、2016年に米大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が結んだ新労使協定により、25歳未満の海外選手に対しては契約総額の上限が決められている(通称・25歳ルール)。22歳の村上にとっては渡米を急いだところで、あまりメリットがない。
ただし、3年後となれば話は別だ。契約に上限はなくなり、ポスティングシステムによるメジャー挑戦なら球団にも譲渡金が入る。仮に「25歳ルール」が撤廃されたり、制限される年齢が引き下げられたりした場合、3年契約が2年契約に変わり、メジャー挑戦の時期を早めることも可能だという。村上は「これは本当に(衣笠球団)社長をはじめ、球団の皆さんの判断でこういう契約を結んでいただいたので。本当に球団には感謝しかありません」と実感を込めた。
今年は日本選手最多のシーズン56本塁打をマーク。打率3割1分8厘、134打点で令和初、史上最年少の3冠王に輝いた。7月31日阪神戦から8月2日中日戦にかけてはプロ野球新の5打席連続本塁打と記録ずくめで、ファンの間で浸透した「村神様」はユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞にも選ばれた。海外流出となれば球団としては大きな痛手だが、衣笠社長は「あれだけの選手ですから。スワローズファンだけじゃなく、プロ野球ファンから、メジャーで活躍する彼の姿を見てみたいと、当然みんな思っているでしょう」とメジャー挑戦への思いに理解を示した。
気持ちよく夢の舞台へ旅立つためにも、来季以降のさらなる飛躍は欠かせない。村上は「そこに僕の実力がね。伴わないとアメリカにも行きませんし、もっともっと頑張るぞという気持ちになっています。とにかく、まず2年は日本でやる。来年行くわけじゃないですし、これからもっともっとヤクルトに恩返しするってことは考えている」と真剣な表情で語った。
色紙に「連覇」としたためた村上は「ヤクルトの歴史の中で(初の)3連覇、歴史に残したいなと思います。それだけです」とまっすぐな眼差しで言葉を紡いだ。遅くとも、あと3年。今年以上のインパクトで球史を塗り替え、万難を排して憧れの地へと旅立つ。












