あの曲を選んだ理由とは――。2014年ソチ&18年平昌五輪フィギュアスケート男子金メダルでプロに転向した羽生結弦(27)が5日、単独アイスショー「プロローグ」(青森・フラット八戸)を開催。会場に詰め掛けた満員の観客を魅了した。
千秋楽を迎えたこの日は、平昌五輪のフリーで演じた代表曲「SEIMEI」、「CHANGE」、「シング・シング・シング」、「ロミオ+ジュリエット」などを演じ、圧巻のパフォーマンスを見せた。その一方で、自ら編集した東日本大震災時の映像を流した上で、2011~12年シーズンのSP曲「悲愴」を披露する場面もあった。その意図について羽生はこう明かした。
「このショーを見に来てくださってる方々の中に、3・11という傷が残ってる人もいると思います。少しでも自分の演技を見て消化したり、逆にそれを思い出して傷んだり、それがいいことなのか悪いことなのかはちょっとわからないけど、少しでも何かしらの気持ちがともるきっかけとしての演技をしたいなと思いました」
羽生は被災後、多くの人に支えられながら全国各地で練習を励んだ。「悲愴」は八戸のリンクで、換気のために少しだけ開けた天井から差し込む光の下でつくったプログラム。だからこそ「震災を思い出したりして、苦しんでしまうのは申し訳ないなって思いつつも、それがあるからこそ、今があるんだとまた思っていただけるように、そういう演技ができたらなって思って、滑らせていただきました」と神妙に語った。
「やっぱり東北の地でやるのであれば『自分のプロローグ』を描いてる中に、3・11がありました」
東日本大震災から10年以上が経過した。ただ、自身が感じた〝傷〟はこれからも世の中に伝えていく。












