マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(49)が、26日から2日間、都立・新宿高で選手指導を行った。
都立の進学校である同高は小学生らへの野球普及活動をしており、イチロー氏がそこに関心を示し、指導が実現した。
「高校野球ではその学校によってチームの形、目標設定はさまざまで、必ずしも甲子園優勝を目標としている学校ばかりではない。大切なことは『野球が好きで情熱を持っている』こと。都立新宿高校は、学業も頑張りながら好きな野球を続けているだけでなく、小学生を対象とした野球の普及活動にも熱心に取り組んでいると聞きました。限られた時間の中で、いろいろなことに取り組んでいる高校生たちと一緒に野球をやってみたいと考え、自らの意思で訪問させていただくことを決めました」
部員17人(うち女子マネジャー2人)の進学校に来た理由を、このように語ったイチロー氏は「面白いな、今までにない空気が流れている。僕にとっては新鮮な光景。練習場からグッチのロゴ(高島屋の看板)が見えるところなんてある? 甲子園に行ったら、めちゃくちゃ面白いよ」と新宿のど真ん中にある同校の立地に目を白黒。その上で部員の質問に丁寧に答え、フリー打撃実演に、女子マネジャーらとのキャッチボール、ノッカーを務めるなど濃密な2日間の指導を行った。
同校野球部の田久保裕之監督(41)は「夢のような時間でした。覚めないでくれと時間がたつのが惜しい。ひとことも聞き漏らしたくない。『人間は出逢うべき人には必ず逢える』というのは、森信三先生の言葉なんですけど、その通りですね。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない、とその言葉は続くんですけど、人は一生のうちに会うべき人には必ず会えるという。それを今日チームのLINEに送ろうと思っている。まさにこのタイミングで新宿高校にいたことで、奇跡が起きたなと思って」と総括した。
その上で田久保監督はイチロー氏に「野球小僧でしたね。特にノックを受ける時の『さあ、来い!』というあの声。うちに一番足りないのが、野球小僧だと思うんですよ。文武両道の弊害かもしれないですけど、あれだけ頂点を極めた人が野球小僧の顔をしていますよね。いまだに野球が好きだ、野球で伝えたいという野球愛が、あの表情、『さあ、来い!』ですかね。うちの子たちにないものを身をもって、見せてくれた気がします」と最敬礼していた。












