「日本の10番」が悲壮な決意を吐露した。カタールW杯1次リーグE組の森保ジャパンは23日に強豪ドイツとの初戦に臨む。21日には非公開練習で調整を行った中、不振が伝えられる日本代表のエースナンバー10を背負うMF南野拓実(27=モナコ)は、目標とするW杯ベスト8を実現するために自身の野心を“封印”すると宣言。現地取材を行っている本紙担当記者が密着リポートをお届けする――。
【日本代表ドキュメント ブルーサムライ出陣】MF南野は森保ジャパン発足以来エースストライカーとしてゴールを量産。背番号10の大役も任されるようになった。しかし、今季は名門リバプール(イングランド)から移籍したモナコ(フランス)で低迷。日本代表でもW杯アジア最終予選で思うような結果を出せず、序列が低下した状況で本番を迎える。
日本代表担当の渡辺は「日本の10番はドイツ戦で起用されるのかな」と思いを巡らせる中、21日の練習後、南野は自身が置かれた現状とともに複雑な心境を吐露した。
「競争というのは常にある。しかもそれが日本代表。誰が(試合に)出るかというのはあるけど、今はW杯なので。そういう気持ちはあっても、表には出さないのも大事。チームのために何ができるか。そういう中で自分たちが刺激し合って高め合えればいいんじゃないか」と“10番のプライド”を捨ててフォア・ザ・チームに徹することを誓った。
さらに10番は「(気持ちを)律しているというか普通。そんなわがままなやつがおってもどうしようもないし。でも今はW杯だから」と無用な自己主張は頭にないと重ねて強調。そして「僕は誰が出ても、日本が(上に)進むのが一番だと思っている。スタメンでも途中からでも、チームのためにやるべきことをやることしか考えていない」。チームを最優先に臨む姿勢は当然であっても一時は「日本のエース」と呼ばれた男が“悟りの境地”に達するのは簡単ではなかっただろう。
南野の決意と覚悟の言葉を聞いた渡辺は「われわれの仕事にも通じるところがあるな」と肝に銘じてデスクとの打ち合わせの電話を取った。










