日本サッカー協会(JFA)は15日、北中米W杯(6月11日開幕)に臨む日本代表メンバー26人を発表した。選考結果を受け、元日本代表FW武田修宏氏(59=本紙評論家)が3つのポイントに着目。MF三笘薫(28=ブライトン)やMF南野拓実(31=モナコ)の負傷による招集外がもたらす影響や、物議を醸したMF守田英正(31=スポルティング)の〝サプライズ落選〟の裏にも迫った。また5大会連続メンバー入りを果たした大ベテラン、DF長友佑都(39=FC東京)の必要性を改めて力説した。
9日のウルバーハンプトン戦で左太もも裏を負傷したエースに奇跡は起きなかった。この日、都内で行われた会見に出席した森保一監督は「大会期間中には復帰は難しいとメディカルから報告を受けて、選出を断念した」と説明した。
昨年12月に左膝前十字靱帯断裂の重傷を負った南野とともに、本番では攻撃における2人の中心選手が不在となる。武田氏は「三笘と南野がいないのは大きい。点を取れる選手だし、流れを変えることもできる。攻撃力が下がってしまう」と戦力ダウンを懸念した。
しかし、ないものねだりをしても仕方ない。「森保監督の基準は90分戦えて走れる選手だから、そういう意味では20、21歳の若い選手、頑張れる選手を入れたのかなと思う。主力選手がいないときのパターンも考えて積み上げてきた」と期待を寄せる。
なかでも前線で、W杯初選出となったFW後藤啓介(20=シントトロイデン)とFW塩貝健人(21=ボルフスブルク)の若手2人を大ブレーク候補に指名する。「三笘、南野がいないから逆に、後藤がチャンスをつかんで大活躍ということもあるだろうし、ワンダーボーイになることもあり得る。それは塩貝にも言えること。若い選手が活躍すると勢いに乗るからね」
実力的にも覚醒ムードが漂う。「後藤は(3月の)スコットランド戦である程度、起点をつくれたし、体の強さもあった。そこで(森保監督は)決断したのかな。塩貝も体の強さがあるし、ハイプレスも持ち味」とW杯基準に達していると太鼓判を押した。
また、守田が負傷でないにもかかわらず落選した結果は大きな注目を集めた。前回カタールW杯で主力を張り、所属クラブでは今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)で8強入りに貢献するなどインパクトを残している。実力的には入ってもおかしくなさそうだが、なぜ選外なのか。武田氏はこう推察した。
「守田が招集されなかったのは、森保監督の〝基準〟があると思うんだよね。良い悪いではないが、守田は個性が強く、自分が頑張ればチームのためにと考えるタイプ。だけど監督は、チームのために自分を犠牲にしても頑張るという選手を選んだと思う。アジアカップのこともあったし、おそらくメンバーに入れてなかったのではないか。俺だったら入れていたから、びっくりだったね」
守田は2024年アジアカップ準々決勝でイランに敗れた後「外(ベンチ)からこうした方がいいとか、チームとしてこういうことを徹底しようとかが欲しい」などと発言し、波紋を呼んだ。その後も招集こそされているが、このような発言をする〝我の強さ〟は、よりチーム一丸が重要とされる大舞台の選考にあたって判断材料になった可能性も否定できない。
長友の5大会連続メンバー入りも脚光を浴びている。日本代表として最多、アジアでも初となる快挙だ。大ベテランの招集を巡っては、この日の発表前からサッカーファンの間ではSNSを中心に賛否が飛び交っていたが、武田氏は「チームを盛り上げるのがうまいし、選手を鼓舞できる存在。森保監督は何よりもチームの団結を重視しているし、そのために必要な戦力ともいえる」と一貫して必要論を唱えていた。実際に長友のW杯行きが決まり「ピッチ内外でチームをまとめていくことができるし、初めてのW杯出場となる選手をサポートでき、プレーしやすくなる」と改めてメリットを強調した。
武田氏は選考を終えた盟友の森保監督に「メンバー選びは相当悩んだと思う。これからは気持ちを切り替えて優勝を目指して頑張ってほしい」とエールを送った。31日の壮行試合アイスランド戦(MUFG国立)を経て、いよいよW杯制覇の野望に挑戦する戦いがスタートする。













