ソフトバンクは21日に、DeNAから国内FA権を行使していた嶺井博希捕手(31)の入団を発表。シーズン中から動向を注視し、本腰を入れていた実績と経験豊富な捕手の獲得に成功した。

 心中は複雑なはずだ。この日、ペイペイドームを訪れた3年目の海野隆司捕手(25)は「危機感がある」と率直に言った。球団が「嶺井獲得」に動いた事実を客観的に捉えれば、自身の実力不足。今季、正捕手・甲斐が打撃不振に陥る中で、定位置を脅かす存在になれなかった。また、甲斐に代打を送られた後の終盤を託されたが、チームの期待に満足に応えられなかった。

 宮崎での秋季キャンプ中、海野はこう語っていた。「報道は正直、気になります。ホークスが嶺井さんを獲りにいくということが、どういう意味かは理解できています」。唇をかみ締める姿は、悔しさであふれていた。だが、海野はすぐにこう言った。「これで気落ちしていたらダメ。自分の評価をしっかり受け止めて、自分のやるべきことをしっかりやる。ディフェンス面は良くて当たり前。そこからのプラスアルファで、打てないとスタメンはない。長所を一つでも増やして、伸ばしていきたい」。宮崎では持ち前の元気で声を張り上げ、バットを振り続けた。

 2019年ドラフトで2位指名を受けて入団。総合的な守備力に定評があり、今季は打撃面の成長が認められ、球団内でも将来性を評価する声は多い。甲斐に加えて、嶺井が新たに壁として立ちはだかることになるが、そこに挑み、乗り越えてこそ一人前。意地を見せられるか。