規格外男はどこのピースにハマるのか…。巨人・秋広優人内野手(20)が再び大物の片りんをのぞかせている。13日に行われたソフトバンクとの練習試合(宮崎)では「4番・一塁」で先発出場し、3安打1打点の大暴れ。ただ、レギュラー奪取に不可欠な守備は流動的で、現状ではどこを守っても難敵が立ちはだかる。まだ高卒2年目ながら、栄光の「背番号55」を背負うだけに、首脳陣から〝自立〟の覚悟が求められている。

 春季キャンプでは〝シン・ゴジラ旋風〟を巻き起こした秋広だったが、今季は二軍で鍛錬を積む一年となった。松井秀喜氏に代表される背番号55が一軍公式戦でお披露目されるのは、来季へ持ち越された。

 この日は左腕・大関から外角球を技ありの左前打、サブマリンこと高橋礼から中前適時打、高橋純から一塁強襲の右前打を放ち、スタンドをわかせた。秋季キャンプに入り、かつて左の強打者だった阿部ヘッドや亀井打撃コーチの助言に熱心に耳を傾け「スイングの軌道というか固定というか。試行錯誤しながら今日結果が出た。来年は勝負の年だと思うので頑張っています」と力を込めた。

 原監督もソロを含む2安打1打点だった増田陸を含め「春(のキャンプ)は一軍からスタートさせたいなというのを見せるよね。内容が良かった」と早くも〝内定〟を出すほどのアピールだった。

 ただ、レギュラー取りへネックとなるのはどこを守るのかだ。指揮官も「未完は未完で終わっちゃうケースもある。そこは安心しちゃイカン」と早期の台頭を期待している。今季のイースタン・リーグで最多安打(98安打)をマークするなど成長をみせたが、守備は本職だった三塁に加えて一塁、左翼、さらに中堅にも取り組んでいる。

 原監督は「どこだけとか落ち着いてほしくない」と起用の幅を広げるためにも、ユーティリティー化を求める。その一方で首脳陣からは「今はまだ〝どこで〟というのがないから、いろんなところに回している。それも本人が気づかないといけない」と悩ましげな声も聞かれる。

 例えば、一塁であれば誰にもマネできない2メートルを超える長身を生かし、〝特大の的〟となることも一手だろう。内野手にとって一塁手の体が大きく手足が長ければ、送球が少々乱れても捕ってもらえる安心感が生まれる。

 それでも「駒田さんはグラブさばきがうまかった。秋広はまだキャッチングもグラブさばきも動きもまだまだ。ただ単に(送球を)捕れればいいというものじゃない」とさらなる上積みを求められている。

 一塁手として、ゴールデングラブ賞で歴代最多となる10度受賞したのが身長192センチの駒田三軍監督。今季の布陣では一塁には中田、三塁は岡本和、左翼にはウォーカー、中堅では丸がレギュラーを張る。秋広はプロの世界で羽ばたくため、どこで勝負をかけるのか――。