立浪竜に〝断酒ブーム〟到来の兆しだ。中日・谷元圭介投手(37)が11日にナゴヤ球場で契約更改交渉に臨み、500万円減の年俸4200万円でサイン。今季は開幕一軍こそ逃したが、5月下旬に昇格すると7月は通算500登板、8月には通算150ホールドも達成するなど34試合に登板して6ホールド1セーブ、防御率2・61と安定した投球でブルペン陣の支えとなった。

 来季15年目を迎え、球団最年長となるベテラン右腕の元気の要因の一つが断酒だ。もともと人並みに酒を嗜んでいたが「コロナで外出、外食する機会が減ったのが功を奏した。飲酒をすると寝ている間にアルコールを分解しようと肉体的な疲労(回復)を阻害する。飲酒をしないことで休養に充てられた」と力説する。

 ここ3年連続で断酒を続け、安定した成績を残しており「今まではストレスとかある時に飲んでいたが、飲まなくてもいけるじゃんと思った。中日OBで長くやっている選手はお酒が飲めない。立浪監督もそうだし、岩瀬さん、山崎武司さんもそう。そういうことか、と」と納得したという。

 そのためチーム関係者からも「自他とも認める酒豪の大野(雄)も以前(2018年)は未勝利に終わったことで不退転の決意で禁酒を断行して沢村賞を取るようなエースにまで成長した。若手選手も谷元らを見習って断酒すれば、いい結果が出る可能性はある。今季最下位から来季優勝するためには、それぐらいの覚悟でやった方がいいよ」と提案する声が出ている。

 谷元は「ドラゴンズ自体はすごく力のある選手がいる。みんなで一丸となって優勝を目指せば、できると思う。自分もその中で重要なピースとして貢献したい」。その上で「シーズン中、お酒を飲まずにビールかけしたら、途中で酔っ払うでしょうね」とニヤリ。球団最年長選手にならって多くの竜ナインが断酒を敢行すれば、来季の躍進もグッと現実に近づくかもしれない。(金額は推定)