足りなかった2打席をどう受け止めているのか――。今季ソフトバンクの戦いを支えた牧原大成内野手(30)は、シーズンの疲れを見せることなく「免除対象」ながら宮崎秋季キャンプに参加している。優勝こそ逃したが、チームはオリックスと同率の2位終戦。その中で、球界屈指のオールラウンドプレーヤーは強烈なインパクトを放ち続けた。

 今季はキャリアハイの120試合に出場して、打率3割1厘、6本塁打、42打点。打順は4番、9番以外を日替わりレベルで任され、守備も二塁、三塁、遊撃、中堅を担った。藤本監督は「ジョーカー」と呼び重宝。心身の負担の大きい役回りで、同業者が口をそろえてたたえる立派な数字だった。

 ただ、牧原大の受け止めは違った。「あと2打席…。やっぱり規定打席に届いてほしかった。441打席立っての3割超えよりも、たとえ2割5分でも規定到達が当然価値があると僕の中では思っている。一生残るものを今年残したかった」。

 ポジション別最多出場は「中堅」での64試合。資格基準を満たせず「ゴールデン・グラブ賞」の選外となった。ちゃめっ気たっぷりに「メジャーで創設される(ゴールドグラブ賞の)ユーティリティー枠を日本でも今年から採用してほしいくらいです」と笑う。球際に強い抜群の守備センスは証明済み。フォア・ザ・チームを誰よりも体現しながら、タイトルに縁がない…。

 野球選手が何よりも喜ぶ〝同僚や同業者からの評価〟が高いだけに報われなかったという気持ちは一切ないが、レギュラーとして不動の地位を築く野心はこれまで以上に強くなった。「終盤戦は最後まで自分がセンターで出続けた。レギュラーを取ってしまおうと思う」。中堅一本にロックオンして臨むプロ13年目は、待望の「レギュラー元年」となるか――。