2022年のドラフト会議が10月20日に迫っている。

 すでに巨人が高松商の浅野翔吾外野手、ソフトバンクが愛知・誉高のイヒネ・イツア内野手、西武が早大・蛭間拓哉外野手、日本ハムが日体大・矢沢宏太投手、広島が苫小牧中央高校の右腕・斉藤優汰投手、オリックスが白鷗大・曽谷龍平投手の1位指名を事前公表する異例の展開。各球団のスカウト陣が「質的に本来の1位指名に値する選手が12人揃わない」と嘆く不作ドラフトならではの光景が展開されている。

 1位指名を公表する理由はそれぞれだが、あるスカウトが「1位素材が12人いない中では、競合して外した場合のリスクが大きい」というのが本音に近いのだろう。1位戦略をオープンにすることで、非公表球団にリスクを回避してもらい無事に一本釣り、単独指名を成功させたい思惑の表れのようだ。

 一方で「入札抽選方式」である1位指名とは違い、2巡目指名以降はその年の公式戦順位の下位球団から指名を行う「ウエーバー方式」と上位球団から指名を行う「逆ウエーバー方式」を交互に行い12球団が選択終了を宣言するまでこれを続ける。

 実はここにもそれぞれの思惑を持ったスカウト、編成陣が「有利」と考える〝ポールポジション〟のようなものがある。それが「ドラフト的には優勝か最下位のどちらかがいい」というものだ。

 ウエーバーと逆ウエーバーが折り返す各リーグの1位と6位球団には2位、3位、4位あたりの指名で、狙った選手を連続してほぼ狙い通りに指名できるというメリットがある。

 今年でいえば、両リーグを連覇したヤクルト、オリックス。そして中日、日本ハムがその〝ポジション〟に立っているといえる。

 逆に「指名から指名の間が長く思い通りにいかないことが多い」という〝ワーストポジション〟は公式戦3位、4位のチームなのだそうだ。

 不作といわれる今秋ドラフトだが、その中でも悲喜こもごものドラマは展開される。