セ・リーグのCSファーストステージ第1戦が7日に横浜スタジアムで行われ、シーズン3位の阪神が同2位のDeNAに2―0で勝ち、ファイナルステージ進出に王手をかけた。すでに今季限りの退任が決まっている阪神・矢野燿大監督(53)が、このまま〝最後の意地〟を見せるのか――。
零封勝ちで初戦を制した矢野監督は「向こうのホーム球場で勝ち切れたところは自信にして、明日で決めれたら」とニンマリだった。信条の積極采配が攻守で的中したのだから、さぞや上機嫌だったことだろう。
0―0の5回に一死一、二塁と相手先発の左腕・今永を攻め立てると、2打数無安打だった2番・糸原に代打・マルテを投入。選球眼に定評のある助っ人が四球を選んで一死満塁と好機を広げ、チームトップの得点圏打率3割1分3厘を誇る3番・近本が先制の2点打を放った。投手陣も先発の青柳が6回無失点と好投し、7回以降の岩貞1/3回―浜地2/3回―岩崎2/3回―湯浅1回2/3の小刻みな継投でも指揮官のタクトは冴えわたった。
レギュラーシーズンで守護神を務めた岩崎を8回から投入。二死一、二塁とピンチを招くと迷わずホールド王・湯浅を送り込んだ。今季43ホールドとブレークした4年目右腕をイニングまたぎで抑えに抜擢し、見事に逃げ切った。
采配同様、放つ言霊にも〝キレ〟が出てきた。前日7日に近本と臨んだ共同会見では、キーマンに関する質問で「隣にいるので『近本』と言いたいところですけど、強いて挙げるなら…」と1番・中野を指名。その中野がチーム最多の4安打と爆発し、負けじと近本が決勝打を含む3安打という展開に「すごくいい形だった」とご満悦だ。湯浅が初出場のポストシーズンで〝プロ初セーブ〟を挙げたのも何かしらの予感が漂う。
2年連続CS進出で顔ぶれは昨年とほぼ同じ。異なるのはブルペンに絶対的クローザーだったスアレス(現パドレス)がいないことだ。新たな抑え候補に、今春キャンプ前はまだ無名の存在だった「湯浅」の名前をいち早く挙げていたのも矢野監督だった。今季限りで退任する指揮官の目利きと采配が、最後の最後にかみ合い出した格好だ。これが続くようなら、虎の下克上もグッと現実味を帯びてくる。












