パ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージは8日、福岡・ペイペイドームで第1戦が行われ、ソフトバンクが5―3で西武に競り勝った。投げてはエース・千賀滉大投手(29)が8回3失点で毎回の11奪三振と力投。打っては主将の柳田悠岐外野手(33)に3ランが飛び出し、ファイナルステージ進出に王手をかけた。ホークスOBで本紙評論家の加藤伸一氏も「V逸のショックが残る中で、エースと主砲で初戦を勝てたのは大きい」と投打の主役の働きを絶賛した。

【インハイアウトロー 加藤伸一】レギュラーシーズン最終戦でロッテに逆転負けを喫し、まさかのV逸に終わってから中5日。そう簡単に気持ちを切り替えられるものではない。いくら本拠地で地元ファンの応援を背に戦えるとはいえ、新たな目標に向かって選手たちを再び奮い立たせるのは容易ではなかったと思う。

 そんな状況下で、三森の適時二塁打で先制した直後の3回二死二、三塁で飛び出した柳田の3ランは、選手ばかりでなく藤本監督にも勇気を与えたのではないだろうか。先発の千賀もしかり。3失点したとはいえ、5回の2失点は味方の失策が絡んだアンラッキーなもの。6回二死走者なしから浴びた森のソロも初球のフォークにヤマを張られた結果で、内容は悪くなかった。

 首脳陣からすれば8回をどう乗り切るかが迷いどころだったかもしれないが、7回終了時点で千賀の球数は95球。3―5の8回二死一、三塁で迎えた栗山に対して159キロを連発していたように球威も衰えていなかった。レギュラーシーズンなら8回頭からの藤井投入や、得点圏に走者を置いた場面で左打者の栗山に左の嘉弥真という選択肢もあっただろうが、ポストシーズンでは目先の勝利が最優先。2日のロッテ戦で受けた精神的ショックを考えれば、冒険もしにくい。8回は千賀に託すしかなかったし、エースらしく結果で期待に応えてくれた。

 ソフトバンクはポストシーズン17連勝と秋の短期決戦に無類の強さを誇る。下克上への道のりは険しいものだが、主砲とエースが進むべき道を結果で示してくれた効果は計り知れない。(本紙評論家)