西武・森友哉捕手(27)がキャッチャーとしての真価をソフトバンク・甲斐拓也捕手(29)との〝直接対決〟で証明する。

 プロ9年目の今季、森は春先に自らが招いた右人差し指の骨折による離脱もありバットの方は打率2割5分1厘、8本塁打、38打点と低調な数字に終わった。

 一方で、扇の要としての貢献度には目を見張るものがあった。

 チームは優勝こそ逃したものの森が戦前に「今年はバッテリーで勝ったといわれる試合を増やしたい」と宣言した通り、チーム防御率2・75(リーグ1位)、総失点数448(リーグ最少)、被本塁打数81(同最少)など投手陣に関する数字が軒並み目覚ましい改善を遂げた。

 もちろん、そこには主戦捕手としてチーム最多82試合でスタメンマスクをかぶった森の貢献があるのだが、これをさらに鮮明なものにするためには、8日から始まるCSファーストステージで相手の日本代表捕手・甲斐をリード面で上回りたいところだ。

 いい投手が投げ、相手の1、2番、クリーンアップ対策が徹底される短期決戦はロースコアゲームになる確率が高い。シーズン以上に捕手にかかる比重が増し、そのインサイドワークが勝負の明暗を分けてもくる。

 スコアラー陣が「短期決戦ではシーズン中のデータを洗い直した上で、いかに相手の裏をかいて、シーズン中にはない配球をするかも勝負のうち」というように、捕手の〝応用力〟がステージの流れを作ることもある。

 森がこれまでのイメージにない〝頭脳派〟としてホークス打線を翻弄するような展開になれば、侍ジャパンの正捕手争いにも大きな地殻変動が起こる可能性がある。