ついに歴史を塗り替えた。ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が3日、今季レギュラーシーズン最終戦のDeNA戦(神宮)で今季56号ソロを放ち、日本選手シーズン最多本塁打記録を更新した(最多は13年ヤクルト・バレンティンの60本塁打)。64年に王貞治(巨人)が記録した55号に並んで以降、15試合連続ノーアーチが続いていたが、その呪縛を見事に振り払って61打席ぶりの本塁打で大偉業を達成。同時に令和初&最年少の三冠王も確定。球史の1ページに堂々と名を刻んだ燕の主砲には、本拠地・神宮球場のスタンドから万雷の拍手が向けられた。
  
 歴史的な弾道が神宮の夜空を舞った。7―2で迎えた7回先頭の第3打席、村上は5人目・入江の投じた初球151キロの内角高め直球をとらえ、右翼席へスタンドイン。ついに日本選手シーズン最多の56号本塁打を放った。

 メモリアルアーチを放った燕の怪物スラッガーは打った瞬間、本塁打を確信。打席で拳を握り締めた後、ゆっくりとダイヤモンドを一周。快挙を成し遂げた余韻に浸るかのように歩を進め、一塁側ベンチへ戻って来るとチームメートたちから祝福を受けた。

 9月25日にチームがリーグ連覇を決め、主砲として頂点に導く役目は果たしたが「まだ終わっていない」と気持ちを切り替えていた。そして「もっともっと押しつぶすぐらいのプレッシャーをかけてもらいたい。そこ(56号)に挑戦できるのは僕しかいない。いろんなプレッシャーもありますけど、自分ならできると信じて頑張りたい」とも述べ、重圧にも負けず個人としての大記録に正面から向き合う強い決意を明かしていた。

 だが道のりは決して平坦ではなかった。9月13日の巨人戦(神宮)で2本塁打を放って日本選手最多の55本に並んでから不発が続いた。偉大な〝王越え〟を果たすまで、あと1本のところに迫りながらも長いトンネルにハマり込んでいた。それでも村上は「記録との戦いに今挑戦できるのは僕だけ。その幸せを感じながら、自分ならできると信じて頑張る」と変わらずに力強く語り、泰然自若を貫いた。

 大偉業は〝王越え〟にとどまらない。本塁打、打点、打率でトップを確定し、令和初の三冠王も確定。チームをリーグ連覇に導いた〝村神様〟は、ペナントレース最終戦で個人としても有終の美を飾り、まさに〝全部乗せ〟でシーズンを終えた。

 進撃の主砲が次に目指すは、2年連続の日本一。史上最高の1年とするため、ポストシーズンでも勝利のためにフルスイングする。