昨年6月、市街地にヒグマが出没して4人が負傷する事案があった北海道札幌市で、今度は札幌ドーム敷地内でヒグマの目撃情報があり緊張が走っている。

 目撃情報があったのは15日午前7時45分ごろ。「札幌ドームの北口ゲート近くに1・5メートルほどのヒグマが寝ている」と警察に通報があり、一時、敷地内を封鎖するなどの緊急措置がとられたという。この日は札幌ドームで“ビッグボス”こと新庄剛志監督率いるプロ野球・日本ハムの試合はなかったが、日中に大学野球が厳戒態勢で行われた。

 市や札幌ドーム関係者によると「普段はヒグマ出没情報がない地域」だというが、13日夜にも近くでヒグマの目撃情報があり、15日には足跡も確認されたことから、人が多く集まる札幌ドーム付近にヒグマが潜んでいるのは確実だ。

 今回の個体について、北海道猟友会砂川支部長でヒグマのプロファイリングを行う池上治男氏は、「体高1・5メートルから立ち上がれば2メートルはある」と推測。そのうえで「最近の北海道は非常事態と言っていいくらい、ヒグマがあふれかえっていて山では餌不足が起きている。この個体もほかの強いヒグマたちに山を追い出されて餌を求めて人里まで降りてきたのではないか。住宅地の家庭菜園にはトウモロコシなどヒグマの餌となるものがあり、それを狙っている可能性がある」との見方を示した。

 昨年6月の出没当時は、車で追いかけたりクラクションで脅したりした結果、パニックに陥ったヒグマが幹線道路に飛び出してあわやの事態も起こった。

「絶対に同じ間違いを犯してはダメ。住宅地の近くでパニックを起こせば、また人を襲う事態になりかねない。発砲できない住宅地では、うまく緑地帯を使って山に誘導するしかない」(池上氏)

 近隣住民には不安な日々が続きそうだ。