460万部を超える大ベストセラー「バカの壁」の著者であり、解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司氏(88)が10日、監修を務めた「養老孟司と小檜山賢二の虫展」(愛知・豊田市博物館、11日~9月23日)説明会のために来館。デジタル技術や子供たちへの想いなど、約20分に渡り語った。
この虫展は四十年来の〝虫友達〟である小檜山賢二慶應義塾大学名誉教授(1942年生まれ)との二人展。工学博士、情報通信研究者かつ昆虫写真家の小檜山氏は「深度合成」というデジタル画像処理技術による「マイクロプレゼンス写真」を制作。超拡大画像による昆虫たちの〝真の姿〟は、肉眼では決して見ることができない世界だ。また養老氏は虫との付き合いで感じた言葉を展示している。
がんと闘病中の養老氏だが、その知性や探求心はいささかも衰えていない。昆虫の大きさの中央値は5~7ミリというが「顕微鏡で拡大するとピントが合わない。少しずつずらして合わせていく。小檜山さんの写真は1枚の画面に全部ピントがあっている。どうしてこんなことができるかというとAi、デジタルの恩恵です。ただデジタルだからといって人工物ではない。実際の虫の姿をデジタルで表現している」と説明。さらに筑波大学教授で関西万博シグネチャーパビリオンでも話題を集めた落合陽一氏が提唱する「デジタルネイチャー」という言葉が「本当にぴったり。デジタル技術がないと表現できない自然」と加えた。
会場には子供たちがスケッチできるコーナーがある。「写真には写っていないところがある。写真から絵を描いてみると、実は全部見えてないと描けないということに気づきます。今の子供はすぐにデジタルの世界に入っていくので、その手前で絵を描いて欲しい」からだという。
長距離移動のため体調が心配されたが、大好きな虫の話ということもあり、カメラマンに応じて杖を手放してのポーズまで取った養老氏。「最近の採集は先週かな。鎌倉の自宅周辺で」。物を見る、気づく、考えるという生活はこれからも続いていく。












