かつての絶対守護神がマウンドに上がったのは5回だった。ソフトバンクの森唯斗投手(30)が22日のオリックス戦(京セラ)に3番手で登板。1回を無失点に抑えてバトンをつなぎ、チームの逆転勝利に貢献した。
通算454試合に登板して127セーブのキャリアを誇る。昨年は左ヒジを手術し、一軍の試合から遠ざかった。復帰後は球速が戻らず、本来の圧倒的な投球が鳴りを潜めた。今季も開幕は本職のクローザーとして好発進したが、4月半ばから無期限の二軍再調整。5キロ減量し、コロナ禍がチームを襲った7月上旬に一軍再昇格を果たした。
現在の持ち場は「守護神」ではなく、ゲーム展開や相手打線の巡りに応じて起用されている。この日は森の後を津森―松本―藤井―モイネロの順に無失点でつないだ。
斉藤投手コーチは森の現在地をこう説明する。「森に関しては若干の不安が残っている以上、そこは遠慮なくというか、森には申し訳ないが、名前や実績だけではもうあそこに入っていけない。もう一回、競争してもらっている状態です」。
絶大な信頼を受けてきた身だからこそ、真の信頼を取り戻すべく腕を振っている。「腐らずに一生懸命やってくれている。それが後輩にとっても、負けてられないという気持ちになっている。そういう意味での相乗効果がある」(斉藤コーチ)。
若手にとっては、ポジションを奪う絶好のチャンス。新鋭が一気に抜き去ろうとする中で、歯を食いしばる〝30歳の元守護神〟の姿がチームの競争力を高めている。












