【英国・ガレーン4日(日本時間5日)発】女子ゴルフの今季メジャー最終戦「AIG全英女子オープン」初日(ミュアフィールド・リンクス=パー71)、2019年大会覇者の渋野日向子(23=サントリー)が笑顔を取り戻した。8バーディー、2ボギーの65で回り、6アンダーと単独トップで好スタートした。スコアメークの大敵となるリンクス特有の強風を苦にしない好調時の姿が“降臨”する中、3年前の大快挙を再現するために重要な「キーポイント」とは――。

 2019年に海外メジャー初出場優勝を飾った思い出の大会で、2週連続予選落ちから見事に復活した。降雨で冷え込んだコンディションの中でスタートするも1番パー4で8メートルをねじ込むと、3連続バーディーと一気に流れに乗った。4番パー3で3パットのボギーとするが、勢いは止まらない。5番パー5で2オンに成功し、すぐさま取り返した。

 4つ伸ばして迎えた後半も、11番パー4で4メートルを沈めた。2打目をグリーン右ラフに外した14番パー4で1・5メートルに寄せるも、ボギーとしてしまう。それでも、16番パー3で1メートルにつけるなど3つのバーディーを奪って単独トップに立った。

 渋野は「自分が自分じゃないみたいにパッティングが入ってくれた」とびっくり。2週前からチェンジしたマレット型パターもすっかりフィットしている。4番の3パットも「1回ミスした方が安心する。いい意味で調子に乗らなくてよかった」と前向きに捉えた。

 この日は忘れ去られかけていた代名詞のバウンスバックを久々に思い出させてくれたが、雨がやんだ後に強まった風への対応もバッチリ。「すごく距離感が合っていたので、自分でもすごく不思議な感じ」とおどける一方で「自分のスイングや球の特徴を考えて臨機応変にできた」と胸を張った。

 この姿は、苦しむ選手が続出したハワイの風をものともせず、今季自己最高位の2位となった4月の「ロッテ選手権」のころに戻ったかのようだった。開幕前には「風とお友達になりたい」と語っていたが、友達どころか“舎弟”にしていたイメージだ。

 まだ初日を終えたばかりとはいえ「ロッテ選手権」後の9戦で6度の予選落ちとハマっていたトンネルからの出口が見えてきた。それどころか「3年前の快挙再び」も期待できるほど。

 そのためには、好調なパフォーマンスの維持が大前提なのは言うまでもないが、それだけではない大事なポイントが渋野にはある。それは凡ミスの撲滅だ。

 先週の「スコットランドオープン」で2日目の後半に40を叩いて予選落ちしたのも、後半出だしのホールで「お先に」のパーパットを外すあり得ないミスから崩れたからだ。「WOWOW」の中継で解説を務めた平瀬真由美が「ショートパットを外してリズムをつかむことができなかった。特に1番で(お先にを)外して焦りが出てしまい、ショットが曲がり始めた。その辺が課題だと思います」と指摘。1打が命運を分ける優勝争いにおいて、ケアレスミスは許されない。

 本人も「先週は自分のミスから崩れた」と反省していたが、予選突破の2日目に向けても基本中の基本から改めて徹底していきたいところだ。

【カイロ3つで寒さ対策】 初日は朝から雨で気温13度とかなり肌寒い1日だった。渋野はタートルネック(グレー)の長袖ウエアを着用し、プレー以外では大きめの黒いアウターを着込んで体を冷やさないようにしていた。ラウンド後には、現地の気候について「本当にやめようかって思った。寒かったですよね。カイロを3つ、おなかにも背中にも肩甲骨らへんにも貼って」と対策したという。