この中からWBCで活躍する〝若侍〟は出てくるのか。侍ジャパン・栗山英樹監督(61)の初采配となった「プロアマ記念試合」が1日に神宮球場で行われ、U―23NPB選抜が大学・社会人選抜を8―6で下した。注目されたのは、NPB選抜の先発を務めた中日・根尾昂投手(22)だったが、メジャーリーグ解説者で評論家の前田幸長氏が「この選手なら、世界を相手に戦える」と指摘したのは――。


「若い選手たちが一生懸命やってくれて、プロ、アマ超えて躍動する姿を見ていると、本当に野球に感謝というかありがたいなと思います」

 試合後、侍指揮官としての初采配で初勝利を飾った栗山監督は、そう語って喜びの表情を見せると、対戦した両チームの選手たちに向け「この中から1人でもメンバーに入って、大活躍して勝ち切れることを信じています」と、来年3月に開催されるWBCに向けて思いをはせた。

 では現状、この日のメンバーで最も可能性がありそうなのは誰なのか。前田氏が「選ばれたとしても全然、おかしくない」と名前を挙げたのは、6月に投手に転向したばかりの根尾だった。

「1イニング限定のセットアップマンならば、彼がトップチームの侍メンバーに入る可能性は十分あり得ると思います。150キロ台のストレートでグイグイと押せるのは根尾の大きな武器。あらかじめ1イニング限定と決めておけば、少々甘くても真っすぐだけでファウルを打たせたりしながらカウントを稼ぐことができる。彼のようなタイプを1人のブルぺン要員として確保しておくことは、侍ジャパンにとっても非常に大きいと思います」

 さらには投手だけでなく野手、代打、代走と〝スーパーユーティリティープレーヤー〟として使い勝手のある根尾の存在は「不測の事態を含め、あらゆる場面を想定しなければならない侍ジャパンから見て、まさに隠し玉になる」とも。ただ、代表メンバーに根尾が確実に選ばれるためには「少々宿題もある」と前田氏は指摘する。

「ストライクからボールの軌道になるスライダーをさらに磨いて、空振りを奪えるウイニングショットとしてモノにできるかというところでしょうね。これが彼に加われば、もう文句を言う人はいないですよ。メジャーリーガーたちにも十分に脅威を与えると思います」

 そして栗山監督にアピールする上で「少なくとも1試合で登板イニング以上の三振数はマークしてほしい」とも注文をつけた。

 栗山監督は、この日1イニング無失点の根尾について「皆さんが見ていた通り、いいボールを投げていた。能力が高いことを証明してくれたと思う。アマチュアを相手に打たれてはいけないという状況の中、ナイスピッチングだった」と絶賛。侍指揮官が今春キャンプの時期から、根尾に強い関心を寄せていたのも、頭に思い描く起用法があるからなのかもしれない。