大阪桐蔭の4番を務め、2012年の甲子園で春夏連覇の偉業を達成した田端良基氏(28)が、オーダーメードスーツ業を営む傍ら、ユーチューバーとして活躍している。弟の拓海氏とのチャンネル「田端ブラザーズ」は、2年間で登録者数2万人を突破。もちろん母校の試合も欠かさずチェックし、戦力分析にも抜かりはない。春の選抜大会を制し、3度目の春夏連覇の可能性は…。最強“ウオッチャー”がV確率をはじき出した。

 ユーチューブチャンネルを開設したのは2年前。コロナで経営していたバーが閉店となり、順調だったオーダースーツ業も製造工場の停止でピンチに陥った。「その時期が1か月間くらいあって、弟とやってみようかって。思ったより食いつきがよかったと思います。高校時代の10年前の話なのに2万人もの人が見てくれている。ビックリですし、うれしいですよね」と手ごたえをつかんだ。

 動画の更新ペースは2日に1回。野球部の寮生活は3年間だったが「大阪桐蔭が勝つ限りはネタは続くんじゃないかと思っています。求められてるところはその辺じゃないかな。高校野球ファンが多く登録してくれていますので」と焦りはなさそうだ。

 時には弁の立つOBが出演し、寮生活の実態、厳しい規則の網の目を突いた?やんちゃぶりを“暴露”することもある。「言える範囲内のことしか言っていないし、盛ってる話はないですよ。言えない話はいっぱいあります」とニンマリ。猛練習をこなす最強ストイック集団…との世間のイメージとはまた違った現実があるようだ。

「大阪桐蔭の選手だって本当はこうなんだよって。中学時代に僕は和歌山に育って、大阪桐蔭のことは間違った情報しか聞いていなかった。練習は打撃練習だけで、早く終わるらしい。寮の飯はめちゃめちゃうまいらしいとか…。いいなあって思って進学したら、あれ?みたいな。そんな経験を田舎の子たちにしてほしくないので、しっかりした情報を発信したい。裏話はエンタメとしてね」

 そんな最強“ウオッチャー”田端氏は今夏の大阪桐蔭をどうみているのか。選抜大会では準々決勝、準決勝、決勝と2桁得点の大差で“ぶっちぎり”V。春の近畿大会では決勝で智弁和歌山にまさかの敗戦を喫し、公式戦連勝は29でストップした。田端氏はこの負けが大きな意味を持つとみている。

「僕らの時もセンバツに勝って春の近畿大会も負けなしで、その後に招待試合で明徳義塾(高知)に負けた。今のチームと状況が似ていて、ずっと勝ってたらチヤホヤされるんです。負けることに耐性がなかった。コーチからも詰められるし、めちゃめちゃ悔しくて…。そこから気を引き締め直し、ヨソもレベルアップしてウチに勝つところまで来ている、という焦りを感じながら夏に向けて仕上げていった。ヨソがそこまで来ていると…。負けないとそれに気づけないんです」

 連覇確率については「大阪をまず勝てるかどうか。春季大会も接戦だったし、いつ巻き返されてもおかしくない。センバツ優勝しても夏の大阪で何が起きるかわからない。2018年の根尾君(中日)たちの時も履正社に9回二死まで負けていましたから。それは選手たちがわかっていること」と大阪大会の過酷さを訴え、そのうえで「大阪を勝って甲子園に出れたら、連覇確率は90%になっていると思う」とした。

 履正社をはじめ「打倒・大阪桐蔭」に牙をむき続けるライバルたち。群雄割拠の大阪で、横綱がどんな戦いぶりを見せてくれるか。今後も自らのチャンネルで予想、分析を続けていく。

☆たばた・よしき 1994年6月27日、和歌山市出身。大阪桐蔭で4番を務め、3年時の2012年に藤浪晋太郎(阪神)、森友哉(西武)らと春夏連覇を達成。花巻東・大谷翔平(エンゼルス)から甲子園で本塁打を放った唯一の打者。卒業後は亜細亜大学に進学するも3日で中退。日本ウェルネススポーツ専門学校(北九州)野球部にも所属した。野球での人脈を生かしてオーダーメードスーツの仕事を始め、20年には弟・拓海氏とユーチューブチャンネル「田端ブラザーズ」を開設。“大阪桐蔭の“裏ネタ”などを楽しく発信し、登録者数2万人を超えている。