再建途上のはずだったチームが、夏を前に勝負球団へ姿を変えようとしている。米移籍専門サイト「トレード・ルーマーズ」は米国時間2日(日本時間3日)、シカゴ・ホワイトソックスのクリス・ゲッツGM(42)が7月31日(同8月1日)のトレード期限を前に補強へ含みを持たせたと伝えた。

 チームは2日(同3日)の敵地ツインズ戦に4―6で逆転負けを喫し、2連敗。それでも同日時点で32勝29敗とし、ア・リーグ中地区首位ガーディアンズに2・5ゲーム差、ワイルドカード争いでも射程圏にいる。

 流れを変えたのは、ゲッツGMの発言だった。先週までは長期視点を強調していたが、同日には「このチームは本当に良い野球をしている」と明言。「本当に何かを加えるチャンスがあれば、そうするつもりだ」と語り、事実上の〝買い手宣言〟に踏み込んだ。

 背景には、予想を超える躍進に加え、右ハムストリングの肉離れで負傷者リスト(IL)入りした村上宗隆内野手(26)の離脱もある。頼みの綱を欠き、直近で連敗を喫しても勝負圏からは落ちていない。ここで補強の手を緩めれば、今季最大の好機を逃すことになりかねない。打線は本塁打数でリーグ上位に入り、出塁率、長打率も高水準。焦点は投手陣だ。

 同サイトが最優先に挙げたのは先発ローテーション。デービス・マーティン投手(29)が軸となり、ショーン・バーク投手(26)、アンソニー・ケイ投手(31)も中位を支えるが、エリック・フェデ投手(33)は期待に届いていない。ノア・シュルツ投手(22)も膝蓋腱炎で故障者リスト入りしており、ローテーション後方を埋める先発投手の獲得は急務だ。

 救援陣も4月の不振から持ち直しているとはいえ、中盤を任せる駒はもう一枚ほしい。野手では村上とカイル・ティール捕手(24)の復帰を前提に大補強は避ける見込みながら、外野手の補強は検討材料となる。ロッキーズのミッキー・モニアック外野手(28)とジェイク・マッカーシー外野手(28)、ツインズのトレバー・ラーナック外野手(29)は、ホワイトソックスが外野強化に動く場合の現実的な獲得候補になりそうだ。
 
 ファーム上位の有望株を切り崩す大勝負とは限らない。それでも補強の針は「静観」から「勝負」へ傾いた。村上の復帰を待つだけでなく、戻ってきた時に本気で10月を狙える形を作る。ゲッツGMの言葉は、再建球団が勝負球団へ変わる号砲にも聞こえる。