同じ轍を踏むことだけは…。阪神は本拠地・甲子園球場で今季最終戦となった11日のDeNA戦に1―0で勝利し、60勝53敗7分けの2位でシーズンを終えた。就任2年目の矢野燿大監督(51)のもと、球団創設85周年の「日本一」を公約して臨んだが、結果は王者・巨人に8ゲーム差と完敗した。終盤には新型コロナウイルス集団感染が発生し、チーム内規違反者も発覚。揚塩球団社長が引責辞任を発表するなど、とても〝準優勝〟を喜べる雰囲気は球団内には皆無だ。就任3年目の来季は進退をかけて臨む一年になる。
気温12度と冷え込んだ11月の聖地・甲子園での最終戦セレモニー。矢野監督は2万1048人の虎党を前に「シーズンが始まる前に『今年は優勝する』と言い切ってスタートしたにもかかわらず優勝を逃し、また、巨人にも大きく負け越すという悔しいシーズンになったことに対し、責任を感じております」とざんげした。
指揮官はキャンプインの2月1日から「日本一を目指すのではなく、日本一に『なる』と決めている」と1985年以来の日本一を常に公言。しかし〝言霊〟は現実にはならなかった。
特に最大のライバル・巨人にはまったく歯が立たなかった。開幕3連戦で3連敗すると開幕以後も敵地・東京ドームでは8連敗を喫し、通算でも8勝16敗と9年連続で負け越し。V逸の原因に再三指摘されているのが、巨人の12球団最少の46に対し、阪神は真逆の12球団最多の85を数えた失策数だ。宿敵との差は昨年よりもむしろ、広がった感すらある。3位で貯金1の昨年から、2年目は貯金も順位も進歩しているにもかかわらず、厳しい声が数多く飛んだのはこんな側面もある。
来季はリーグVへ待ったなし。今季打撃コーチだった井上コーチをヘッドに昇格、ヘッドコーチの清水コーチを二軍チーフコーチに来季は配置転換し、一、二軍の連携をさらに強化して背水イヤーに臨むことが濃厚だ。
だが、この内閣改造手法は前監督の金本政権でも、同じタイミングで行っており結果、2018年の3年目は大失速。まさかの最下位転落で辞任に追い込まれた前例がある。それだけに「今回は大丈夫?」との声もOBたちから上がっている。
カギを握るのが、新任ヘッドコーチの存在だ。金本前政権では2年目まで高代コーチが務めたが、3年目は打撃だった片岡コーチへとスイッチ。球団史上最高額の3億4000万円(推定)で獲得したロサリオを4番に据え、Vの使者として期待したが、出場はわずか75試合で2割4分2厘、8本塁打、40打点の大誤算に終わり、打線全体も年間を通じ深刻な貧打に悩まされる結果になった。
それだけに「今年のボーアが退団となればまた外国人も新たに獲ってくるんだろうけど、そこはあくまで当たれば儲けものの感覚でいないと。当てにしていいのはFAで獲った選手だけで、外国人は当てこまないこと」(球団OB)と、繰り返してならないのは未知数の戦力を〝計算〟に入れることだという。
打撃担当のコーチを参謀に据えて迎える矢野政権3年目。悪夢のデジャビュだけは避けたいところだ。












