アフリカ南西部のカメルーンやアンゴラ共和国に生息すると言われている謎の哺乳類が「コジェ・ヤ・メニア」である。和訳すると「水ライオン」ないし「水ヒョウ」となる。日本の書籍では和訳された名称で紹介されることが一般的なので、ここでは水ライオンとさせていただく。
現地の人々の間で半ば伝説としてささやかれていたこの生物について紹介したのが、ドイツの動物学者インゴ・クルムビーゲル博士であった。彼によれば、この生物は時に激しく咆哮するが、その声は明らかにライオンなどの猛獣とは違うものだとされている。
大きな牙が下向きに生えており、性質は非常にどう猛で狩りを好む。たいていの動物は活動範囲が限られているが、この水ライオンは陸上であろうと水中であろうと構わず活動することができる。ゾウやカバといった大型哺乳類すら襲って殺してしまうという。
実際に現地ではカバを追跡したものらしい大きな足跡や、大きな切り傷をつけられて絶命したカバの死体などが発見されているという。
水ライオンの恐ろしいところは、必ずしも捕食のために獲物を襲っているのではないらしい、という点だ。
先述の致命傷を負ったカバの死体についても、捕食したような痕跡が見られなかったそうだ。そのため、非常に凶暴な生物として知られており、現地の人々は水ライオンを非常に恐れているとクルムビーゲル博士は述べている。
周辺地域にはカバなどを襲うどう猛な生物の伝説が様々な部族に伝えられており、呼称も「ディンゴネク」「ディラリ」「ムル・ング」など多岐にわたる。しかし、それぞれの名前が指す動物の特徴が非常に似通っているため、いずれも同じ動物を指しているのだろうと考えられている。
クルムビーゲル博士はこの水ライオンの正体を「夜行性」の「大きい鋭い牙を持つ」「水陸両生でネコ科の生物」と考えている。この条件に当てはまる生物といえば、既に絶滅した「サーベルタイガー」や「スミロドン」が当てはまるのだが、果たしてそんなことはありうるのだろうか?
実は1909年、英国人冒険家ジョン・アルフレッド・ジョーダンが、ケニアで川の中に横たわる謎の生物を目撃している。その生物の全長は4メートル以上、頭はメスのライオンと同じくらい大きく、背中にはアルマジロのようなうろこがあり、なおかつヒョウのような斑紋があったという。そして上顎からは長い2本の牙が出ており、泳ぎに適した形状の尾を水中で動かしていたという。ちなみにこの生物は、ジョーダンが発砲したところ、驚いて水から出て逃げ去ったとされている。
いまだに人跡未踏の地も多いとされているアフリカ大陸には、もしかしたら我々がいまだ知らない、独特の形態を持った生物が潜んでいるのかもしれない。












