小さな島国日本といえども、未確認動物の目撃例の数は非常に多い。「イッシー」や「ナミタロウ」などといった湖沼に生息すると言われる水生UMAから、「ツチノコ」や「ヒバゴン」といった山中などで目撃されたという陸上性UMA、果ては「牛久のプテラノドン」などの飛行UMAまで多岐にわたる。そんな日本で発見されたことのあるUMAの中でも、きわめて奇妙・不可解という表現が似合う存在と言えば「エルバッキー」であろう。
1981年7月22日、神奈川県横浜市で奇妙な生物が目撃された。体色が赤茶色のその生物は、一見猫のような見た目をしていたが、目が発光し、尻尾は巨大で太かったという。
目撃者の女性によると、夫婦でドライブ中にこの存在と遭遇し、写真撮影も行なったそうだが、現像した写真は愛犬に食いちぎられて消失してしまったという。
なお、この目撃者の女性は日本人だが「エリザベート」と名乗っているが、これは彼女が異星人と数回にわたりコンタクトを行なっており、その異星人から与えられた名前がエリザベートだったことに由来するとのこと。
目撃してから数日後の8月12日深夜、なんと彼女は異星人からのコンタクトを受けた。彼らは、アルファー星のナガンダ・ムー、アンドロメダ星のピーガ・パゴイラと名乗り、鹿児島県と宮崎県にまたがる新燃(しんもえ)岳の秘密基地からコンタクトを送っているというのだ。
その際、彼女の目撃した生物が、彼らによって地球へ送り込まれた存在であること、名前は「アルターゴゾ・エルバッキー・ムニューダー」でアンドロメダ出身ということ、地球の破壊をもたらす兵器の発見・監視をする使命を持っていることなどを伝えたという。
この長い名前の一部を取って通称エルバッキーと呼ばれることとなり、また合計3匹のエルバッキーが地球へ飛来し、調査活動を行なっているという。まるでSFじみた話である上、目撃に関してはこの一例があるのみだ。
そもそも、この話は目撃者であるエリザベートが、放送作家の大石隆一との共著で出した「異星人からのメッセージ」(1982年)で語られたものである。
目が光っているのはフラッシュの影響ではないかといった反論も指摘されており、さらにはストーリーそのものが創作ではないかと疑問視されるのは無理もない。
ただ、UMAにはUFO多発地域で目撃がなされるものも多く、異星人のペット、あるいは異星人そのものという説が唱えられているUMAもないわけではない。その点、エルバッキーは経緯から見てもあまりに宇宙生物寄りである。だからこそUMAの中でも非常に特異な存在と見て良いのかもしれない。
「猫は宇宙人が地球へ送り込んだスパイである」という都市伝説との親和性が高いのも興味深い。また、エジプト神話に登場する太陽神ラーの娘バステトは頭部が猫の女神であり、地上を監視する「ラーの目」の役割を持って地上へ送り出され、人々を罰する神として恐れられていた。エルバッキーは、こうした伝承や神話などの延長線上に位置する存在であるのかもしれない。
ともあれ、3匹のエルバッキーが、今もどこかで調査を続けているのか、はたまた誰かしらにすっかり猫として飼われ過ごしているのか、なんとも謎だらけのUMAである。余談だが、バンド「筋肉少女帯」の楽曲「暴いておやりよドルバッキー」に登場する「世のきれいごとを暴きにやって来た」ドルバッキーのモデルは、このエルバッキーである。












