オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第166回は「口裂け女三姉妹」だ。

「口裂け女は三姉妹である」といううわさが昭和の頃からささやかれていた。末の妹が口が裂けており、他の2人はまともなルックスをしているそうだ。

 末の妹が「私ってきれい?」とたずねてくるのに対し、「きれいですよ」と答えると、3人そろって人間を惨殺してしまうと言われている。

 この三姉妹の話だが、筆者はてっきり日本の話だと思っていた。その思いが覆されたのが、在日朝鮮人の友人の証言であった。彼の祖父が、日本統治時代の朝鮮半島であった話として、雪の日に3人の美しい姉妹が訪ねてくるという話をしていたという。後は大筋、日本の話と同じである。
 となると、口裂け女のルーツは朝鮮半島ということになる。当時は日本の一部であったため、同じような話が広がっただけかもしれない。しかし、可能性として、口裂け女のルーツに関しては日本ではなく朝鮮半島の可能性を頭に入れておく必要があるだろう。

 なお、2000年以降、「赤いマスク」という妖怪が韓国で語られている。これは昭和の口裂け女が韓国に伝わったものである。マスクが赤いところがオリジナルだが、これは北朝鮮の恐怖が赤いマスクという形をとって現れたものだと思われる。