オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第163回は「護り龍様」だ。
日本列島を何匹かで分担して守護している祟り神の一種である。日本を守る神様ではあるが、恐ろしい祟り神であるので、正面から見てしまって目が合うと、よくないことが起きるという。
この妖怪を筆者に伝えてくれた人は対馬に住んでいた当時、透明の蛇を見ていたという。5歳ごろ友人に透明の蛇のことを言うと、友人は見えないらしく、バカにされた。結局、自分にしか見えていない存在であった。
その後、家族に話したところ、霊感のあるお坊さんのところに連れて行かれ、「視線さえ合わせなければ大丈夫だ」と言われた。その後、また透明な蛇を見てしまい、全身が硬直し、金縛りにあった。そして、頭の中に「東の浜に行ってはいけない」というメッセージが入ってきた。
目撃した時に怖かったのは「護り龍様」ではなく、護り龍様に向き合っている存在であった。その存在は頭部が2つあり、手足もそれぞれ2本ずつある化け物であった。こいつが日本を狙っているらしく、その存在ににらみをきかせているのが護り龍様であった。
この日本を狙う化け物の容姿は、この連載でも取り上げた「両面宿儺(りょうめんすくな)」そのもの。しかし、両面宿儺は日本海に沈められたはずである。
少し気になる情報がある。日本海を航行する船が巨大な鯨のような生物と激突する事件が実際に発生している。ひょっとしたら、日本海に沈められた両面宿儺が復活し、再び日本上陸を狙っているのかもしれない。