オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第162回は「赤菜婆」だ。
とある地方の山に住んでいる妖怪である。このババアが現れた場所にある山菜や農作物はすべて赤色に変色してしまう。特に米が赤色に変化すると、売り物にならないので、農家からは嫌われた。
しかし、赤菜婆のことをネットに投稿した人物によると、ある爺さんは自分の畑の野菜が赤色になったのを見て、「赤菜の婆さん、まだ元気だったか」と感慨深げだったという。妖怪の実在を確認して、ノスタルジアに浸るとはいかにも、神仏と共に生きる日本人らしい感覚である。
この妖怪というものは、病気にかかってしまった農作物などを妖怪のせいにして解釈し、納得したのであろうか。
赤色は人間の血液の色とされ、不浄の象徴であった。日露戦争当時の話になるが、配達係がようやく最前線に弁当を届け、兵隊たちが喜んで弁当を開けたところ、赤飯であった。兵隊たちは「赤飯とは、めでたいな」と口々に言ったが、それは白飯に配達係の血液が混じったものであったという。











