「誰がオバさんだ、コラァ!」――。札幌市手稲区内を運行中の路線バス車内で乗客の10代少年の髪をつかんだり殴ったりしたとして、20代の女性が8日までに暴行容疑で書類送検された。事件は先月のこと。「オバさんと言われて腹が立った」と容疑を認めているが、暴力行為もさることながら女性の風貌まで関心を呼んだ。

 2月18日の事件後、バスに乗り合わせた乗客が動画撮影した暴行の一部始終が動画サイト「ユーチューブ」に投稿されたことで、手稲署が女性の行方を調べ、特定した。約1分間の動画には乗客もまばらの車内で、まるでスケバンのように荒れ狂う醜態が、丸々映し出されていた。

 少年に詰め寄った女性は目をひんむき「ふざけんなよ、ブサイク! 大人にナメた口きくんじゃねえ!」と少年の髪を引っ張り、運転士から「お客さんやめましょう」と制止されても構わず、少年の頭に1発、ゴン!と鈍い音のパンチをお見舞いした。

 たまりかねた少年が「運転士さん! 警察呼んでいいですか?」と声を上げると、再び「うっるせえよ、誰がオバさんなんだ、言ってみろゴラァ!」。レディース風の巻き舌でがなりながら、少年の頭をわしづかみにした。

 言動こそ昭和の不良娘のようだが、ひっつめ髪、色の入ったメガネ、しゃがれたがなり声、肉づきのいい巨体といい、風貌はどう見てもガラッパチの“オバさん”だったため、動画を見たネット住民らは「えっ! 20代だったの!?」と一様に驚きを隠せない。被害少年が「オバさん」と呼ぶのも無理からぬことだったかもしれない。

 ジェイ・アール北海道バスによると「少年は『以前もトラブルになったことがあって、女性が自分に気が付き怒ってきた』と話している」という。

 私人を撮影してネット公開する行為はプライバシー侵害の危険性をはらんでいるが、警察も映像の存在を無視はできなかった。少年にとっては、事件化されたことで再発防止につながりそうだ。