待望の復活だ。巨人・鍵谷陽平投手(31)が5日のロッテ戦(東京ドーム)で今季初の一軍登板を果たし、1回18球を投げて1安打1失点に終わった。
 
 5点ビハインドの9回から、久々となる東京ドームのマウンドに上がった鍵谷。先頭打者で日本ハム時代の元同僚・レアードに初球をいきなりバックスクリーンへ運ばれたものの、後続はしっかりと3人で抑え、課題を残しながらも、まずは復帰1戦目の登板を終えた。

 ここまで長い道のりだった。昨季はチーム最多の59試合に登板して3勝0敗1セーブ15ホールド、防御率3・19とフル回転の活躍を見せたが、コンディション不良などから今年の春季キャンプを立ち上げ班でスタート。その後もリハビリを経て二軍での調整を続け、4日になってようやく一軍昇格を果たした。

 この日の登板を終えて、まずはひと安心といったところか。桑田投手チーフコーチは「何歳になっても何年目になっても、『本人の開幕』っていうのは特別な思いがあると思いますし、特別な緊張感もあったと思う。そういった中で初球を捉えられて、本塁打は鍵谷自身も反省する所はたくさんあったと思う。ただ、スタートを切れたのは非常に良かったと思いますし、これからも調子を上げていってほしいなと思います」と次戦以降のさらなる良化に期待。

 原監督も「彼は経験を持っているという点ではね。ウチの投手陣は若いのでね。そういう意味では非常にリーダー的な中でね、存在としては期待したい」と、精神的支柱としての働きにも期待感を寄せていた。

 右腕は現在31歳とまだまだ老け込む年齢ではないものの、若手中心の投手陣の中では「良きお手本」となる存在。その姿勢は、リハビリ期間の多くを過ごしたジャイアンツ球場で既に見られていた。

 リハビリを行っていた三軍は、育成選手を含め、10代の選手も数多く在籍。年の差がひと回り以上離れた選手らと共に汗を流すこともあったが、壁を作ることなく、鍵谷自身から積極的に交流。ヤングGらにとっても、気後れすることなく相談などのコミュニケーションが取れる環境が作られていた。

 練習中には笑顔を絶やさず、積極的に声出し。当時、鍵谷は「若い選手に交じって練習する時間が三軍では多いので。ケガでプレーは見せられてないですけど、練習の姿は見せられるので。そういうところをモチベーションに変えていました」と、後輩らに姿勢を見せることを復帰への原動力に変えていた。

 他者に頼られながらも、自らを律する――。真摯な姿勢を貫く右腕が、救援陣を支える大黒柱として巻き返しを誓う。